テラアクソンの資金調達とその意義
神戸大学発のAIスタートアップ、株式会社テラアクソン(以下、テラアクソン)は、最近3,000万円の資金調達を行ったことが発表されました。この資金は、神戸大学キャピタルを通じた第三者割当増資により調達されたもので、主に研究開発の強化を目的としています。
テラアクソンは2022年に設立され、神戸大学の数理・データサイエンスセンター長である小澤誠一教授の研究成果を基にした社会実装を目指しています。AI技術の進化にともない、QOL(Quality of Life)を向上させることが期待されていますが、一方でプライバシー侵害や倫理的な問題も抱えているため、これらの課題解決に取り組んでいます。
研究開発の重点
特にテラアクソンは、以下の3つの主要な研究分野に注力しています。
- - AIのプライバシー侵害に関する研究:人々のプライバシーがAIによって影響されないよう、保護技術を開発しています。
- - AIの倫理侵害に関する研究:AIが人に悪影響を及ぼさないよう、倫理観を持った行動ができるようにするための技術開発に取り組んでいます。これにより、心理的操作に対する対策も進めています。
- - AIの持続的な運用に関する研究:AIは継続的に成長し続ける必要があり、そのための技術(継続学習や連合学習)を研究しています。
これらの研究成果を活用して、金融機関やヘルスケア分野でのAI SaaSプラットフォームを構築しています。特に、金融機関向けには特殊詐欺検知のソリューションを開発しており、機密性の高いデータを扱う上でのセキュリティ強化を図っています。
近い未来へ向けた新たな展開
今回の資金調達によって、テラアクソンは研究開発力だけでなく、製品化能力も一層強化されることでしょう。大学や企業からの優秀な人材を招き入れ、共同研究によってDeep Tech研究エコシステムの中心的な役割を担っていく計画です。
また、金融機関への特殊詐欺検知ソリューションを展開する際には、IT大手企業と連携して研究した結果、良質なサービスを提供する方針です。加えて、ウェルビーイング向上を目的とした健康および介護領域へのアプローチも模索しており、今後の展開が期待されます。
出資者からの期待
今回の資金支援を行った神戸大学キャピタルからは、テラアクソンの技術が多くの産業においてイノベーションを起こすことに期待が寄せられています。特に、秘匿性が求められる金融やヘルスケア分野において、高度な倫理性を持ったAIがどのように活かされるのか注目されます。
テラアクソンの今後の取り組みは、人工知能の技術と社会の調和を図りながら、新しい価値を創造していくと考えられます。栄えある神戸大学発のこのスタートアップが、未来の社会にどのような影響を与えていくのか、大いに期待が寄せられます。
会社概要
- - 会社名:株式会社テラアクソン
- - 設立:2022年5月24日
- - 所在地:兵庫県神戸市中央区江戸町104 江戸町104ビル6F
- - 代表取締役:小澤誠一、安田鉄平
- - HP:TelaAxon
このように、テラアクソンは未来の技術革新だけでなく、倫理的かつ持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。今後の動向から目が離せない企業となるでしょう。