羽毛形成遺伝子の発見
2025-01-27 23:21:20

岡山大学が新たに発見した羽毛形成遺伝子「PBCF」とその進化の鍵

新発見の遺伝子「PBCF」とその重要性



岡山大学の研究グループは、ニワトリを用いた実験を通じて新規遺伝子「PBCF(pennaceous barbule cell factor)」を発見しました。この遺伝子は、鳥類の羽毛形成において重要な役割を果たすことが示唆されています。具体的には、羽毛の微細構造である小羽枝が羽枝軸に付着する際に、特異的に発現しています。PBCFがどのように羽毛の進化に寄与したかを探ることは、羽毛恐竜から現代の鳥類への進化の過程を解明する手がかりとなるでしょう。

羽毛形成のメカニズム



研究によると、PBCFは飛行に必要な羽板を形成する小羽枝で発現します。翼の機能に寄与する頑丈でしなやかな羽毛の構造を持つ小羽枝の形成に、PBCFが必要不可欠であることが明らかになりました。一方で、体温保持に寄与する柔軟な綿羽の小羽枝では発現しないため、PBCFの機能は特定の羽毛に限られていることも分かりました。この知見は、鳥類の羽毛が恐竜から進化する際に大きな役割を果たした可能性を示唆しています。

系統進化の視点



興味深いことに、PBCFは鳥類全般に保存されている遺伝子であり、一部の爬虫類にも類似する遺伝子が存在することが確認されています。しかし、両生類や哺乳類では同様の遺伝子は見つかっていません。このことから、PBCFは恐竜と鳥類間の進化的なつながりを示す重要な遺伝子かもしれません。この発見は、鳥類の羽毛進化と発生の分子メカニズムを理解するための新たな手がかりを提供します。

進化生物学への貢献



この研究は、鳥類学のみならず、進化生物学においても大きなインパクトを持つでしょう。動物の形態形成や機能進化に関する一般原則の理解を深めることが期待されます。また、研究チームの一員である福地響紀大学院生は、「羽毛の進化には複雑なステップがあることが分かりました。細胞間の連携やコミュニケーションの重要性が示されることで、更なる研究が促進されるでしょう」と述べています。

研究とその支援



本研究は、科学研究費補助金の支援を受けて実施されました。そして、2025年1月10日には国際学術誌『Gene』に論文が掲載される予定です。今回の成果は、岡山大学が進める「最重点研究分野」の一環として位置付けられ、次世代の研究者を育成するOU-SPRINGプログラムの中で進められました。

この遺伝子の解明により、今後の生物学的研究において新たな視点がもたらされることが期待されています。岡山大学の研究者たちの取り組みが、さらなる科学の進歩につながることを楽しみにしています。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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