お正月の過ごし方とおせちの実態—50代以上の食文化調査結果

お正月の過ごし方とおせちを楽しむ女性たち

2024年のお正月に関する調査が行われ、50代以上の女性における「おせち」の消費実態が明らかになりました。調査を実施したのは、女性誌販売部数No.1の「ハルメク」が運営する「生きかた上手研究所」で、参加者は50～86歳の女性611名。調査によると、今年のお正月におせちを食べた人は83.3%に達し、そのうちの約86.4%が満足していると回答しました。

調査結果の概要

同調査では、行事食において最も多く食べられたのが「お正月」であることが判明。93.5%がこの時期に何らかの形でおせちを楽しんでおり、これは前年と変わらない傾向です。多くの参加者が「美味しかった」ことに満足を感じており、理由の一つとして「多様な品数」と「食べやすい大きさ」が挙げられています。

また、今年の「おせち」の準備にかけた平均費用は20,671円であり、これも年代が上がるにつれて増加する傾向が見られました。この高年代層においては、特にお金をかけることが多くの女性に共通する傾向になっています。

手づくりから冷凍おせちへ

驚くべきは、全て手づくりした人はわずか7.7%にとどまったことです。この背景には時間的な制約の他、手間を省くために冷凍技術の活用があると考えられます。調査に応じた購買者の中でも、冷凍の詰め合わせおせちを利用している層が30%を超え、特に70代以上ではこの割合が高いことがわかりました。座談会では、冷凍おせちの利点として「食べたいタイミングに合わせて解凍できる」という声も多く聞かれました。

お正月の意義と家族の絆

座談会に参加した女性たちは、おせちを囲んで家族との会話を楽しむことの大切さを強調しました。「お正月は家族が集まる特別な時間。おせちを一緒に楽しむことで、世代を越えた絆を感じられる」との意見が多く、食文化の継承がいかに重要であるかが示唆されました。

たとえば、伝統的な品目の意味を子供や孫に伝えるために、おせちの食材にこだわる人も。黒豆、数の子など、意味のある品目だけは欠かさず、手作りと市販を組み合わせることで、ボリューム感や彩りを楽しんでいる様子が伺えました。

今後の展望

調査の結果、お正月におせちを楽しむライフスタイルは依然として根強いものがあります。特に冷凍おせちの取り入れは、時間の使い方を見直し、家族との時間を大切にする傾向が強まる中で、より一層普及することが期待されています。

2024年のお正月でも、家族が集まり冷凍おせちを楽しむ風景が見受けられることでしょう。伝統を守りつつも、新しい形で楽しむ姿勢が、今の時代における「おせち」の新しい楽しみ方として定着していくことが期待されます。