グリッドスカイウェイの新たな連携体制
2023年10月、グリッドスカイウェイ有限責任事業組合は、全国の主要な送配電事業者として東北電力ネットワークと電源開発送変電ネットワークを新たに迎え入れ、計15社からなる連携体制が確立されました。この新しい体制により、北海道から沖縄まで、日本全国でドローン航路プラットフォームの統一仕様での展開が可能となり、送電線上空の効率的な利用が前進します。
政府の政策と連携した取り組み
このグリッドスカイウェイの活動は、経済産業省が推進する「デジタルライフライン全国総合整備計画」とも密接に関連しています。これは、国の重要インフラとしてドローン利用を促進し、特に電力設備の点検や災害対応、物流サービスを強化することを目的としています。さらに、無人航空機の運航管理(UTM)やドローン航路登録制度に沿った安全な運用を視野に入れています。
2025年から始まる商用ドローンサービス
グリッドスカイウェイは、2025年1月より東京電力パワーグリッドと中国電力ネットワークを顧客に、航路プラットフォームを利用したドローン自動飛行サービスの商用提供を開始します。これにより、遠隔で電力設備の巡視や点検が行えるようになります。これまでに、関東地方や中国地方を中心において、4,600kmのドローン航路が整備される予定であり、順次サービスの提供範囲は拡大していく見込みです。
産業横断的な取り組み
これらのドローン航路の整備は、電力業界にとどまらず、他のインフラ事業者や大型プラントの所有者とも協力し、産業横断的な展開を図っています。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業」の成果を活かし、2027年度までに全国で1万kmを超えるドローン航路の整備を目指しています。
三つの主要な柱に基づく将来の展望
今後の事業展開においては、以下の三つの柱を中心に進めていきます。
1. 全国統一仕様に基づく送電線上空のドローン航路の拡大
2. 災害対応や物流などの社会的ニーズに基づく利用用途への適用検討
3. 政府が策定する各種制度や国際標準に基づいた運航管理システムとの連携
これにより、少子高齢化に伴う労働力不足や頻発する自然災害といった社会課題の解決の一助となることが期待されています。グリッドスカイウェイは、セキュリティの確保とともに、より多くの事業者が安全にドローンを利用できる「空のインフラ」を提供することに全力を尽くしています。
このように、グリッドスカイウェイは新たな連携体制を構築し、ドローン技術を活用したサービスの提供に向けて既に準備を進めています。ドローン航路の整備が進むことで、さまざまな分野での利活用が進むでしょう。今後の動向に注目です。