次世代陽子線治療
2022-06-22 12:36:27
次世代陽子線治療システムの開発でがん治療が革新、短時間照射を実現
次世代陽子線治療システムの画期的な開発
住友重機械工業株式会社は、次世代陽子線治療システムのビーム試験を愛媛県の西条工場で成功裏に実施したことを発表しました。この新システムは、がん治療に革命をもたらすもので、特に動きのある臓器への照射時間を大幅に短縮することに成功しました。
背景と現状
がんは現在、世界で最も重要な健康問題の一つであり、呼吸による臓器の移動がある場合(肺や肝臓など)、治療における精度が求められます。実際、呼吸によって移動する臓器に発生するがんは20%以上を占め、この割合は年々増加しています。特に最近では、陽子線治療に関する適用範囲も広がり、多くの患者がこの治療法の恩恵を受けることが期待されています。しかし、従来の陽子線治療では、動く臓器に対する精度が不足していたため、治療時間が長引くことが課題でした。
具体的な技術革新
この次世代システムでは、以下の三つの革新的なアプローチが導入されています。
1. 照射時間の大幅短縮
超電導サイクロトロン技術を利用することで、陽子線の照射時間は従来の3分の1にまで短縮されています。また、超高速スキャニング技術により、エネルギーの切り替えは0.1秒で完了し、患者が息を止める間に全ての照射が完了することが可能です。
2. 建屋体積の削減
シングルルームに適したデザインを採用することで、施設全体の建設コストを約30%も削減できる見込みです。これにより、患者への早期治療開始が実現します。
3. 患者位置決めの簡素化
360度ガントリと大視野コーンビームCTを使用することで、患者の位置決めがより簡単かつ高精度になります。この技術革新は、全体的な治療時間の短縮にも繋がります。
実施されたビーム試験について
新システムのビーム試験は、加速器アプリケーションセンターで行われました。ここでは、エネルギー切り替え時間、スキャン速度、ビーム位置精度など、重要な性能を確認し、実際の標的を模擬した照射テストを実施することで、短縮された照射時間の効果を検証しました。
今後の展望
住友重機械は、今後も健康で長生きできる社会の実現に向けて、がん治療に関する研究と開発を続けていく方針です。このような革新的な技術が普及することで、より多くの患者が新たな治療法を受けられる日が近づくでしょう。
以上のように、次世代陽子線治療システムは、がん治療において新たな光をもたらすものと期待されています。今後の進展から目が離せません。
会社情報
- 会社名
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住友重機械工業株式会社
- 住所
- 東京都品川区大崎2丁目1番1号ThinkParkTower
- 電話番号
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