CO2をエネルギーに
2024-09-02 16:07:14

アルカリ性水を用いたCO2の新しいエネルギー転換技術の開発とその期待

はじめに


最近の地球温暖化の進行に伴い、CO2の排出削減が急務として叫ばれています。今や多くの研究者が、温室効果ガスであるCO2を資源化し、新たなエネルギー源に転換する方法を模索しています。東京都立大学大学院の研究チームは、その中で注目されるアルカリ性の水に溶けたCO2を利用した革新的な技術を発表しています。この技術は、CO2を高効率でギ酸イオンへと変換し、カーボンニュートラル社会の実現に寄与する期待が高まっています。

研究の概要


研究チームは、炭酸水素イオンを原料として、電気化学的な反応を利用してCO2をギ酸に変換する技術を開発しました。ギ酸は、カーボンニュートラルのエネルギー貯蔵物質として特に注目されており、この研究によりさらなる利用の可能性が広がります。特にこの技術では、300 mA/cm2という高電流密度の条件下で、85%という世界最高のファラデー効率を達成しています。

技術とその利点


この新技術の最大の利点は、排ガス中のCO2を直接有用な化学品に変換できる点にあります。従来の技術では、CO2をスムーズに利用するためには多段階の工程が必要で、多くのエネルギーを必要としていましたが、今回はその工程を大幅に簡素化し、効率の良い資源化を可能にするものです。

具体的には、アルカリ性の水酸化カリウム水溶液を用いて、炭酸水素イオンからCO2を生成し、この生成されたCO2を利用してギ酸を生成します。この過程では、従来よりも高い利用効率での資源化が可能であり、変換効率を大きく向上させています。

研究の意義


この技術は、再生可能エネルギー型の電力を利用しながら、CO2をエネルギー物質に変換するという新しいアプローチを示しています。ネガティブエミッションの技術として、温室効果ガスの削減に貢献することが期待されており、ギ酸塩は燃料電池や水素キャリアとしても利用可能です。さらに、この技術の実用化を通じて、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた重要なステップとなるでしょう。

まとめ


この東京都立大学の研究は、アルカリ性水を用いたCO2の資源化技術として、今後のカーボン循環社会の実現に向けた重要な成果と言えます。新たに開発されたこの技術は、より効率的にCO2を利用することができ、その成果が今後の環境対策に大きな影響を与えることが期待されています。例えば、排ガスからのCO2の回収過程を簡素化し、その後のギ酸生成における高い効率性は、環境問題の解決に向けた大きな前進と言えるでしょう。この研究の発展から、さらに具体的な応用が進むことを期待したいです。


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