ウクライナの環境復興を目指すGSアライアンスの新プロジェクト

GSアライアンスの新たな挑戦

GSアライアンス株式会社が、国連工業開発機関（UNIDO）からの支援を受けて、ウクライナの「グリーン産業復興プロジェクト」に関与することが決まりました。今回は、同社が実施する生分解性プラスチックや樹脂などの開発を通じて、廃棄物を新しい販売製品に変える取り組みについてお伝えします。

プロジェクトの概要

GSアライアンスは、ウクライナにて有機廃棄物を活用し、バイオマス由来の生分解性プラスチックや樹脂の開発を目的としたフィージビリティ・スタディを行います。この事業は2025年9月30日から開始され、調査期間は12ヶ月間を予定しています。このプロジェクトは、日本の経済産業省からの資金提供を受け、技術移転や人材育成を通じてウクライナの産業復興を支援することが目指されています。

GSアライアンスはウクライナ企業のTETRAVION K Ltd.と連携し、持続可能な製品の開発を進めます。具体的には、農業残渣やわらなどの有機廃棄物を原料とし、植物由来の生分解性樹脂やプラスチックの製造に取り組みます。

環境に優しい製品の開発

同社は、従来の石油由来の製品を植物やバイオマス由来の製品に置き換えることを目標としています。これにより、CO2の排出量削減やナノプラスチック問題の解決を図りつつ、さまざまな分野での製品開発が期待されます。特に、生分解性プラスチックや樹脂に留まらず、コーティング材料や塗料、さらには3Dプリンター用の素材なども視野に入れています。

例えば、サルガッサムを原材料にした環境に優しいカトラリーや、植物由来の樹脂を用いたテーブルなどの家具は、既に開発されています。

事業展開の計画

GSアライアンスの森良平博士は、最初の段階として生分解性樹脂とプラスチックの開発に取り組む意向を示しています。その後、さらなる製品群の開発を加速させる計画です。また、スイスにも支社を構え、欧州からの事業支援も視野に入れています。

GSアライアンスは、2020年に国際連合プロジェクトサービス機関（UNOPS）の支援を受け、カーボンニュートラル事業を推進するスタートアップ企業として認定されました。これは彼らの技術が評価された証でもあり、同社が持つ技術は複数の国連のプラットフォームに登録されています。

さらに、2025年10月7日には、万博の国連パビリオンにおいて森博士が登壇し、この新しい技術や取り組みについて広く紹介されることになります。