SCSK株式会社と株式会社ログラスが、管理会計におけるパートナー契約を結び、両社のシステムを連携させることにより、経営判断の迅速化を目指します。
1. 背景
現代の企業環境では、依然として多くの企業がエクセルシートなどに依存して予算策定や予実管理を行っており、データ収集や集計、加工に多大な労力を消耗しています。この結果、業務の属人化や入力ミス、さらには確認作業における煩雑さといった問題が生じています。特に、経営情報が各部門やシステムに分散しているため、データ分析や意思決定に時間がかかり、情報の鮮度が失われるなどの課題が存在します。実際に経営企画部門の77.2%の担当者が、現在の業務に不満を感じており、企業の中で10営業日以上かけて月次予実管理を行っていることもあります。
このニーズに応えるため、SCSKは経営情報に強みを持つログラスと提携し、両社の技術を融合させることで、経営情報の見える化と迅速な意思決定の実現を目指します。
2. 提供する価値
SCSKのERP「PROACTIVE」とログラスの「Loglass」を統合することで、経営判断の質を向上させるためのさまざまな価値提供が可能となります。まず、リアルタイムでの経営状況把握が可能となり、データを一元管理することで、予実差異を迅速に分析できます。これにより、例えば売上が計画を下回った場合には、その原因を即座に特定し、迅速に対策を講じることができるようになります。
また、ERPの実績データとLoglassの計画データが連携することにより、データの二重入力が不要となり、常に最新の情報に基づく高精度な経営判断が可能になります。煩雑なエクセル業務を排除し、予算策定や予実管理の効率化と精度向上も実現します。
さらには、SCSKが持つ業界別のベストプラクティスを活用し、他の成功事例を基に自社の経営管理業務を最適化することも期待されます。
3. 今後の展開
今後、両社は経営判断の高度化に向けて、販売実績データや人事データの取り込みを検討中です。これにより、より自由な分析が可能となります。さらに、各業界に特化した予算・見込み管理やナレッジの提供を予定しており、共同マーケティング活動やウェビナーの開催も視野に入れています。SCSKの親会社である住友商事とも連携し、価値提供の強化を図っていく方針です。
関連するコメント
ログラスの坂本氏は、SCSKとのパートナーシップを喜び、経営管理の高度化に向けたニーズの高まりを感じていると評価しています。双方のノウハウを生かし、より迅速かつ精度の高い経営判断を支援できることを期待しています。
一方、SCSKの菊地氏は、急速に変化する市場環境における管理会計の重要性を強調し、両者の連携が新たな価値提供につながると述べています。特に、業務システムと経営管理基盤の結びつきを強化することで、企業全体の効率化、そして経営の質の向上が期待されます。