デジタル技術で強靭な地域防災を実現
山形県長井市がNTT東日本、株式会社NTTイードローン、NAVER Cloud、そして韓国水資源公社と手を組み、デジタルツインとドローンを活用した地域防災強靭化に向けた連携協定を締結しました。この協定により、長井市の防災能力を大幅に向上させることを目指しています。
1. 現状と課題の理解
近年、相次ぐ自然災害と人口減少、少子高齢化が進行する中、地域の防災体制の強化は急務とされています。長井市は一級河川・最上川が広がる地形であるため、特に水害のリスクが高い地域です。2022年には豪雨による浸水被害が発生し、地域住民の安全を脅かす事態となりました。
そのため、迅速で的確な対応ができるよう、情報がリアルタイムで把握・共有できる仕組みが求められています。
2. 連携協定の内容
本協定では、ドローンによる空撮画像から高精細なデジタルツインを構築し、リアルタイムに河川水位や状況を観測します。具体的な取り組みは以下の通りです。
(1) デジタルツインの構築
ドローンで空撮した画像データを元に、高精細なデジタルツインを作成します。このツインをもとに水害シミュレーションも実施します。
(2) 水害シミュレーション
デジタルツインに基づく水害シミュレーションを行い、どのエリアが被害を受けるかを事前に可視化します。これにより、早期の避難指示が可能になります。
(3) リアルタイムモニタリング
センサーとカメラを組み合わせて河川の水位や氾濫状況をリアルタイムで可視化し、危険度を迅速に把握することが可能です。
(4) 情報共有および意思決定
得られた情報を地域の関係者と共有し、効率的な意思決定を支援する機能を検討します。これにより、防災オペレーションの最適化を図ります。
3. 各機関の役割
- - 長井市: 実証フィールドと関連データの提供を行います。
- - NTT東日本: モニタリング用の無線ネットワークと防災ノウハウを提供します。
- - NTTイードローン: ドローンによる空撮データを担当します。
- - NAVER Cloud: デジタルツイン構築のソリューションを提供します。
- - K Water: 浸水予測技術を供給します。
4. 今後の展開
長井市と各社は、得られた知見を基にデジタルツインの本格的な展開を進める予定です。防災だけでなく、都市計画や人流解析への応用も視野に入れており、地域が直面するさまざまな課題解決に向けた活動を推進します。
地域住民がより安心で快適に暮らせる環境づくりを実現するため、多方面にわたる“フェーズフリーな”活用が期待されます。
5. お問い合わせ
この取り組みに関する詳細な情報は、以下の連絡先までお問い合わせください。
TEL: 0238-82-8001
MAIL:
[email protected]
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