救急隊員のための新シミュレーションプログラム『プロスト』
2020年9月1日、レールダル メディカル ジャパン株式会社が、東北大学クリニカル・スキルスラボ及び仙台市消防局救急課と共に開発した救急隊員向けシミュレーションプログラム『プロスト』が全国で発売されました。このプログラムは、救急隊員が直面するさまざまな症例を模擬的に体験し、その判断力やアセスメント力を高めることを目的としています。
プログラムの特徴とは
『プロスト』では、内科的疾患や複合的な要因による症例に特に焦点を当てています。救急隊員は、傷病者を観察し、病態を評価する能力を向上させることで、病院選定から早期搬送を実現し、救急活動の効率を図ることができます。また、救急活動時間の短縮は常に求められているため、重要な課題の一つでもあります。
## 使いやすいシステム
このプログラムの大きなメリットは、現場での忙しい日常の中でも、特別な指導者なしで簡単に実施できる点です。少人数のグループで、気軽にシミュレーション学習を行う環境が整っています。これにより、救急隊員はいつでもどこでもスキルアップが可能です。
開発の背景
『プロスト』が誕生した背景には、医療者の教育におけるさまざまな課題があります。
- - 東北大学クリニカル・スキルスラボでは、全国の医療従事者向けにシミュレーション教育を提供していますが、指導者の育成にも困難が伴います。
- - レールダル メディカルジャパンは、長年にわたって救命教育の場で活動していますが、教育手法の新しい方向性を模索していました。
- - 仙台市消防局救急課は出動件数の増加とともに、現場の活動時間を短縮するための訓練が求められています。
これらの課題を克服するために、3機関は2018年に共同研究契約を結び、教育プログラムの開発に取り組んでいったのです。
シナリオとクリニックの詳細
『プロスト』は、指導者役1人と受講者3人のグループでの運用が可能です。用意されているシナリオは30種類に及び、具体的には糖尿病患者のくも膜下出血や高カリウム血症、肺塞栓症など、救急現場で頻繁に遭遇する症例を想定しています。また、COVID-19に関連したシナリオの開発も進行中です。
受講者は、各シナリオに沿った模擬トレーニングを通して学習し、終了後には全員で振り返りを行います。プログラムには、トレーニング内容を記録し、後で簡単にレビューできる機能も搭載されています。
提供されるコース
『プロスト』を導入する施設向けには、以下のトレーニングコースが用意されています。:
1.
プロスト 基本コース(1日) - 350,000円(税抜)
2.
プロスト コミコミコース(1日) - 450,000円(税抜)
3.
プロスト オンラインコース(半日) - 90,000円(税抜)
まとめ
『プロスト』は、救急隊員に必要な判断力や迅速な対応能力を養うための新しいツールです。全国の医療従事者の間での普及が期待されています。これにより、救急の現場において、より安全で迅速な対応が可能となるのです。
詳細な情報やプログラムの導入に関心がある方は、以下のリンクをご覧ください。
プロスト公式サイト