治療アプリ開発
2021-02-24 11:00:09
慢性腎臓病患者に向けた治療アプリ開発の重要性を考える
慢性腎臓病患者に向けた新たな治療アプリが登場
最近、東北大学大学院医学系研究科の内部障害学分野とサスメド株式会社が共同で、慢性腎臓病患者向けの治療用アプリの開発に乗り出しました。このプロジェクトは、慢性腎臓病の患者数が日本国内で1,330万人を超えており、その影響が無視できない現状を受けたものです。慢性腎臓病は、放置すると心不全や脳血管障害などの重大な合併症を引き起こすリスク因子となります。現在、透析を必要とする患者は34万人以上おり、その医療費は年間で患者一人あたり約500万円に達することから、経済的負担も大きい課題です。
このアプリの開発にあたり、慢性腎臓病患者の生活習慣の見直しや腎機能の改善がポイントとなります。東北大学内部障害学分野では、腎臓リハビリテーションが重要だと認識され、運動療法や栄養管理を通じて腎機能の維持を目指しています。腎臓リハビリテーションは、最近提唱されている新たなアプローチであり、日本腎臓リハビリテーション学会が設立されたのもこの背景にあります。
医療現場の変化とデジタル技術の重要性
新型コロナウイルス感染症の影響で、医療機関への受診が制限される事態が続いています。このような環境では、患者が医療を受ける機会が少なくなり、より柔軟な治療方法が求められます。そこで、デジタル技術の活用が注目されています。特に、スマートフォンは現在、非常に普及しており、60歳以上の世帯においてもその保有率は81.3%に達しています。このような背景が、慢性腎臓病患者向けのアプリ開発の必要性を一層強くしています。
このアプリを通じて、患者は自宅でリハビリテーションに取り組むことができ、医療従事者も患者の状態を把握しやすくなります。さらに、サスメドが持つ治療用アプリの開発経験や特許技術を生かし、使いやすく効果的なアプリの提供を目指していくとのことです。
未来への展望
今後、このアプリは腎臓リハビリテーションをより多くの患者に届ける手段として期待されています。東北大学内部障害学分野は、腎機能障害に関する研究を長年行っており、その知見が活かされることが見込まれています。また、日本腎臓リハビリテーション学会の支援の下、腎臓リハビリに関する情報やアドバイスを得ることも可能になるでしょう。
このプロジェクトは、慢性腎臓病患者が抱える現実的な問題にアプローチする重要な一歩であり、今後の動向が非常に楽しみです。患者が自らの健康管理に積極的に取り組むことができる環境を作り出すことで、慢性腎臓病の治療に新たな風を吹き込むことが期待されています。
会社情報
- 会社名
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サスメド株式会社
- 住所
- 東京都中央区日本橋本町3-7-2MFPR日本橋本町ビル10階
- 電話番号
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