ペロブスカイト太陽電池実証
2024-07-19 11:02:42

コスモ石油、積水化学、朝日エティックが共同でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始

ペロブスカイト太陽電池が拓く、カーボンニュートラルへの道



2050年カーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大が急務となる中、コスモ石油株式会社、積水化学工業株式会社、朝日エティック株式会社の3社は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始しました。

この実証実験は、積水化学が開発したフィルム型ペロブスカイト太陽電池を、朝日エティックの設置・施工技術を用いて、コスモ石油グループが運営するサービスステーション屋根や事業所のタンク壁面などに設置し、その有効性を検証することを目的としています。

従来のシリコン系太陽電池は設置場所が限られていましたが、フィルム型ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟性に優れ、設置場所を選ばないという利点があります。特に、耐荷重の小さい屋根や垂直曲面など、従来の太陽電池では設置が困難だった場所への設置が可能になるため、再エネ導入量を拡大する上で大きな期待が寄せられています。

実証実験の内容



今回の実証実験では、コスモ石油中央研究所のタンク壁面と朝日エティック東京工場のモデルサービスステーション屋根の2ヶ所に、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置します。

タンク壁面では、垂直曲面設備への設置・施工方法の検証と発電データの測定を行います。

サービスステーション屋根では、耐荷重の小さい屋根への設置・施工方法の検証と発電データの測定を行います。

これらの実証実験を通して、ペロブスカイト太陽電池の耐久性、発電効率、設置の安全性などを評価し、将来的には全国のサービスステーションや事業所への導入を目指しています。

各社の取り組み



コスモエネルギーグループは、2050年カーボンネットゼロの実現に向け、再生可能エネルギー発電容量の拡大に取り組んでいます。本実証実験を通じて、グリーン電力サプライチェーンの強化を図り、カーボンニュートラル目標の達成に貢献していく方針です。

積水化学は、独自技術により、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の屋外耐久性において10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築しました。さらに、発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功しており、さらなる耐久性や発電効率の向上を目指して開発を加速させています。

朝日エティックは、給油所等のロードサイド店舗の建設や電気・塗装・設備に関する豊富な実績とノウハウを活かし、本実証実験における設計・施工技術を提供します。省エネルギー化と再生可能エネルギー利用に関する取り組みにも積極的に貢献していく予定です。

ペロブスカイト太陽電池が切り開く未来



今回の実証実験は、ペロブスカイト太陽電池が日本のエネルギー問題解決に大きく貢献する可能性を示すものです。従来の太陽電池では不可能だった場所への設置が可能になることで、再エネ導入が加速し、カーボンニュートラル実現への道筋が拓かれることが期待されます。


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会社情報

会社名
積水化学工業株式会社
住所
大阪市北区西天満2丁目4番4号
電話番号
03-6748-6460

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