茨城県稲敷市のファーマ村いちご農園が竣工
2020年8月に設立された株式会社ファーマ村いちご農園がついにその第一期を完成させ、4月18日に竣工式を行いました。この農園は、持続可能な農業を目指し、最新の技術を駆使した新しい農事業モデルを提供しています。
農園の規模と目標
稲敷市に広がるこの農園は、初期の段階で2haの面積を持ち、将来的には4.5haに拡大する計画です。この新しい大規模農園は、全国規模で青果の流通を担うファーマインドが手がけており、農業の活性化を図る重要なプロジェクトの一環です。
効率的な栽培技術
この農園の最大の特徴として、上下稼働式リフティングシステムを採用している点が挙げられます。このシステムにより、作業を行っていない栽培ベンチを上に持ち上げることで、通路を確保しつつ、通常の栽培よりも1.8倍から2倍の植株を育てることが可能になります。これにより、作業効率を大幅に向上させ、作業者の負担を軽減することができます。
生育環境の管理
生育環境を自動制御するための統合環境制御装置も設置されており、遮光・保温カーテンや温湯暖房、養液灌水装置といった各種機器を自動管理しています。これにより、イチゴが成長するのに最適な環境を作ることができ、収穫されるイチゴの品質も向上しています。これらのデータはクラウドで管理されているため、遠隔地からでも調整が可能であり、効果的な栽培が期待されます。
環境への配慮
この農園では環境に優しい農業を追求しており、省エネ技術や循環型養液栽培の導入が行われています。例えば、太陽光集熱パネルを使って温水を生成し、農作物の温めを行うことにより、全体を加温するよりも効率の良いエネルギー管理を実現しています。また、植物の水分要求に基づいて自動灌水をおこなうことで、資源を無駄にせず、環境負荷を減らす循環型の養液栽培が行われています。
コールドチェーンによる鮮度保持
各収穫されたイチゴは、園内の冷蔵庫で予冷された後、直結するトラックバースから専用の冷蔵トラックに積み込まれ、ファーマインド青果センターへと運ばれます。冷蔵センターではさらなる冷蔵保管と仕分けが行われ、その後店舗に届けられますので、消費者には新鮮な状態で届けられます。
輸出を意識した取り組み
また、ファーマ村いちご農園はいちごを輸出するための減農薬栽培にも力を入れています。特に、エアシャワーやエアシャッターなどを導入し、「病害虫を持ち込ませないハウス」を目指しています。作業者が入る際の衛生管理にも徹底した注意を払い、安心して食べられるイチゴを提供するための仕組みが整えられています。
まとめ
ファーマ村いちご農園の稲敷農園は、先進的な技術と環境に優しい方法を取り入れることで、高品質のイチゴを安定供給することができる新しい農業の形を示しています。このモデルは、今後の日本の農業における一つの指標となることでしょう。