国際海事機関第110回委員会が水先人乗下船装置の安全向上を決定
国際海事機関第110回海上安全委員会の成果
2025年6月18日から27日にかけて、国際海事機関(IMO)の第110回海上安全委員会(MSC 110)が開催されました。この会議では、水先人乗下船装置の安全性を強化するための国際条約の改正が採択され、また自動運航船(MASS)の国際的なルールの策定進行状況も話し合われました。
水先人乗下船装置の安全性向上策
会議で採択された改正案は、水先人乗下船装置の不具合による事故を防ぐために設置基準の見直しや保守管理の要件追加を含みます。具体的には、「海上人命安全条約(SOLAS条約)」の附属書第V章第23規則が改正され、水先人乗下船装置の性能基準も見直されました。新たに交換期限やウィンチリールへの収容時のドラム直径に関する規定も設けられました。
特に、水先人用のはしごと船舶との間で補助的に使用するロープ、つまりマンロープの使用が安全性向上のために重要であると認識されています。
自動運航船のルール策定進行中
自動運航船(MASS)に関しては、現状では非義務的なルールが用意されていますが、今後の策定作業が進められていることが報告されました。当面の間、航行安全や遠隔操船、それに通信の接続性に関連する章が最終化される見込みです。残されている章についても、今後集中的に検討され、人的要素やその他重要な要件が含まれる予定です。最終的なMASSコードは、2026年に確定することを目指しています。
今後の展望
これらの改正やルール策定は、海上での安全性向上に大きく寄与することが期待されています。国際的な海事活動が進む中で、特に高まる自動運航船の導入に対しても、しっかりとした基盤を築き上げられることが重要です。また、これらの活動が世界の海上輸送においての安全性を向上させ、事故の予防につながることを多くの関係者が望んでいます。
次回の会合でも引き続き、海上安全の確保に向けた追加の議論が行われることが予想されており、引き続き注目が必要です。