岐阜県飛騨市の茅葺き民家「旧中村家」が再生へ
岐阜県飛騨市宮川町に位置する「旧中村家」は、150年もの歴史を持つ茅葺き民家です。今、この貴重な文化遺産がふるさと納税を通じて再生されることとなり、地域の文化を守る取り組みが進められています。特に、11月29日には修復の舞台裏を紹介する特別公開が行われ、多くの方に親しんでもらう機会が提供されます。
旧中村家に込められた想い
「旧中村家」は、明治初期に建てられた飛騨地方の典型的な農家建築であり、現在では飛騨市宮川町に残る唯一の茅葺き民家です。また、市の文化財にも指定されています。過去には多く存在していたこのスタイルの民家ですが、今ではその数も減少し、文化が失われてしまう危機に直面しています。
この重要な文化財の修復は、飛騨市が令和2年度からふるさと納税を通じて寄附を募り、令和6年度までに6,000万円を集めて実施されました。これにより、建物の基礎が修復され、再び水平を保つことができるようになりました。このような修復努力は、ただの保存にとどまらず、地域住民が集まり交流できる場所へと再生していくことが目指されています。
特別公開見学会の詳細
特別公開見学会は、以下の日時で開催されます。
- - 日時: 11月29日(土)10:00~11:00
- - 場所: 飛騨みやがわ考古民俗館(岐阜県飛騨市宮川町塩屋104)
- - 参加費: 無料
- - 申込: 不要
- - 解説者: 飛騨市教育委員会文化振興課の学芸員、三好清超氏が務めます。
このイベントでは、修復過程の背景や文化的な価値についての解説が行われ、訪れた人々に旧中村家の魅力を伝えます。参加できる方々には、貴重な体験が提供されることでしょう。
未来に向けたプロジェクトの展望
この修復プロジェクトには、ただ屋根を直すだけではなく、地域の人々が交流し、文化を体験する場を提供するというビジョンがあります。2026年度からは茅の購入や設計、2028年度には実際に葺き替え作業が行われる計画で進行中です。将来的には、文化体験や交流イベントを通じて、訪れる人々に飛騨文化を学ぶ機会を提供する予定です。
このようにして「旧中村家」をただ残すのではなく、活かす形で未来へと繋ごうとする取り組みが進行しているのです。
地域と共に歩む
このプロジェクトに寄せられている期待や要望は、ただの修復を超えています。「囲炉裏で鮎を焼く体験ができたら」、「修復の過程を一緒に学べるイベントを希望」など、多くの人々が文化財の保全とその活動の継続を強く望んでいます。こうした声を基にした新たな活動を展開することで、「旧中村家」は未来の世代にも受け継がれていくことになります。
お問い合わせ
今回のイベントや修復プロジェクトに関する問い合わせは、飛騨市教育委員会文化振興課(電話: 0577-73-7496)まで。ぜひこの機会に足を運んで、飛騨の豊かな文化と歴史に触れてみてください。