緑視率を活用したまちづくりの新たな一歩
国土交通省の国土技術政策総合研究所(以下、国総研)が新しく発表した「AI緑視率調査プログラム(試行版)第2版」は、現代のまちづくりにおける緑の重要性を再認識させるツールです。緑視率は、人々が日常生活で感じることのできる緑の割合を数値化した指標であり、都市環境の快適性を測る重要な要素とされています。
緑視率とは
緑視率とは、市街地において人々の視野の中に占める緑の割合を示す指標です。具体的には、街路樹や生け垣、壁面緑化などが含まれます。この指標により、緑がどれだけ人々の視覚的な環境に影響を与えているかがわかります。研究によると、緑の多い地域に住む住民は、健康状態が良く、幸福度も高いことが多いことが明らかになっています。
AIによる効率化
従来は、現地調査で撮影した写真を用いて手作業で緑の面積を算出するため、多くの時間と労力がかかっていました。しかし、「AI緑視率調査プログラム」は、AI技術を活用することでこの作業を大幅に効率化します。これにより、研究者やまちづくりの実務者は、より迅速かつ少ないコストで緑視率を測定することが可能となりました。
第2版の改善点
新たに公開された第2版では、これまで寄せられたフィードバックを元に、さまざまな緑への対応力が強化されています。たとえば、山間部の緑や室内の緑など、多様な環境における緑視率を効果的に測定できるようになりました。さらに、季節変化に対する対応も強化され、より実用的なツールとして進化しています。
まちづくりへの影響
このツールの活用は、緑化目標の設定や施策の効果確認に資するだけでなく、住民のWell-beingの向上にも役立つと期待されています。都市の緑化を促進することで、快適な生活空間を提供し、健康的なコミュニティづくりへとつなげることができます。
申し込み方法
「AI緑視率調査プログラム(試行版)第2版」は、国総研の都市開発研究室のホームページから利用申込が可能です。興味のある方はぜひ、以下のリンクから詳細をご確認ください。
都市開発研究室 HP
組織の背景
国土交通省国土技術政策総合研究所は、都市の緑を効率的に計測し、評価するための新技術の研究を行っています。この取り組みは、都市環境の質を向上させるための一貫した方向性のもとに進められています。今後も国内外でのさらなる発展が期待される分野です。
お問い合わせ
本件に関するお問い合わせは、国土技術政策総合研究所 都市研究部都市開発研究室の大橋征幹主任研究官までご連絡ください。電話番号は029-864-2211、E-mailはnil-tosikai@ki.mlit.go.jpです。