名古屋商業高等学校が挑む建築廃材を活用した商品開発の未来
名古屋商業高等学校の生徒たちが、名古屋市の長屋印刷株式会社と共に、建築の廃材を活用した新商品の開発に取り組んでいる。このプロジェクトは、地域の社会課題解決を目指し、実践的なキャリア教育の一環として位置づけられている。さらに具体的には、2024年6月から始まった授業を経て、11月13日(水)に新製品の最終プレゼンテーションが行われる予定だ。
プロジェクトの概要
名古屋商業高等学校・オフィスビジネス科の2年生は、「商品開発」という新設科目の下、1年間を通じて、建築廃材をアイデアで商品化するというテーマに挑戦中だ。使用される廃材には、フローリング材の端切れやコロナ禍で使われたアクリルパネルが含まれており、これを利用して子育て世代のためのプチハッピー商品を企画している。プロジェクトの一環として、名古屋市キャリアサポート事業に参加し、生徒たちは企画からマーケティング、プレゼンテーションの準備まで多岐に渡る活動を行い、実際に商品化を目指している。
プレゼンテーションは午前中の2回に分かれて行われ、7つのグループがそれぞれの成果を発表する。他の企業からの審査員も加わり、その中から選ばれたアイデアは、実際の商品化へと繋がる可能性がある。今後、商品の販売は来年3月に予定されている。
リアリティのある学び
このプロジェクトは3年前からスタートしたもので、商業高校では新しい学習指導要領に基づき、従来の座学から実践的な商品開発へと移行している。特に、岡崎ビジネスサポートセンター(オカビズ)との連携により、実際の市場調査や企業活動に触れる機会が増えており、生徒たちの探求心や創造力が育まれている。「社会課題に直に触れることで、地域を見直したり、自身のキャリアのリアリティを感じたりできることを期待しています」と、校長の平柳忠信氏は述べている。
プロジェクトに参加した78名の生徒たちは、現実のビジネスの環境に触れることで、商品開発だけでなく、自己の成長を実感している。このようなリアルな体験は、学生たちの将来に響く大切な学びとなるだろう。
参加企業の背景
長屋印刷株式会社は、1919年に創業し、さまざまな印刷物のデザインから納品までを行う企業だ。コロナ禍の中で「スマイル名刺」などの新しいサービスを生み出し、社会に対するニーズに応える柔軟な発想が評価されている。このような企業との連携が、生徒たちに現実的なビジネスの視点を持たせる一因となっている。
一方、株式会社オープンハウスグループは、持株会社体制に移行後、住まいや暮らしに関する多様なサービスを提供し続けている。環境保全活動にも力を入れている同社は、今回のプロジェクトを通して地域との共創を図りつつ、若者たちの創造力を育む場を提供している。
未来への期待
名古屋商業高等学校の生徒たちが出す新たな商品は、単なる商品以上の意味を持つだろう。廃材を利用するというテーマは、持続可能な社会への一歩を踏み出す重要な試みであり、未来のビジネスリーダーたちがその課題にどう取り組んでいくのかが注目される。同校の取り組みが成果をあげ、地域の人々に幸せをもたらす商品として具体化されることを期待したい。