新技術『土木泥水再利用システム』の誕生
セイスイ工業が開発した『土木泥水再利用システム』が、国土交通省が運営する新技術情報提供システム「NETIS」に登録されました。このシステムは、近年の建設業界における泥水処理の課題を解決するために設計されています。
NETISとは
NETIS(ネティス)とは、国土交通省による新技術情報提供システムで、民間企業が開発した技術に関する情報を共有するデータベースです。企業の技術をサポートし、更なる発展を促すことを目的としています。NETISに登録された技術は、公共工事を発注する際に評価されることから、多くの地方自治体や国の施策にも役立てられているのです。
システムの開発背景
土木工事では、特に矢板打ち込みの工事現場で大量の泥水が発生します。これまでは濁水処理設備を設置して沈澱させ再利用していましたが、高濃度で多量の泥水は沈澱が難しく、施工ロスや廃棄物処理コストの増大が課題でした。そこで、セイスイ工業は遠心脱水機を用いて泥水を短時間で再利用可能な水質に変換するシステムを開発しました。
新システムの特長
このシステムの主な利点は以下の通りです:
1.
処理コストの圧縮
産業廃棄物の処理を現場で行うことで、泥水を泥土と水に分離し、分離水を連続的に再利用可能にします。これにより、処理コストを30%以上削減することができるため、水道費用や廃棄物処理費用を抑えられます。
2.
工期の圧縮
水を連続的に再利用することで、待機時間がなくなり、全体の工期を12%以上短縮します。これにより、作業効率が向上し、施工がスムーズに進むことが期待できます。
3.
環境保全への貢献
産廃物として処分されていた水を再利用することにより、経済性の向上と同時に、環境にも配慮した工事を実現することができます。
適用事例と今後の展開
このシステムは、泥水再生処理プラントを稼動させ、毎時約15立方メートルの泥水を再生可能です。以前の方法と比較して、沈澱待ち時間は解消され、施工ロスが大幅に改善されました。
今後、セイスイ工業はこのシステムの導入効果を広めるため、全国の土木工事現場に展開していく方針です。これにより、施工プロジェクト全体の経済性向上とともに、持続可能な環境保全にも貢献していきます。
会社概要
- - 会社名: セイスイ工業株式会社
- - 所在地: 千葉県千葉市若葉区上泉町424-18 ちばリサーチパーク内
- - 設立: 1974年12月
- - 代表取締役: 井本 謙一
- - 事業内容: 自社開発の水処理技術の提供、設備レンタルや販売など。
この新技術が、今後の土木工事において多くの問題解決につながることを期待しています。