高槻市樫田で秋の訪れとともに稲刈り
高槻市の北部、樫田地区では、地元特有の早まる秋を感じさせる新米の稲刈りが始まりました。この地域は、市街地に比べて約350メートル高い標高を持ち、稲作において一足早い収穫が行われるのが特徴です。
樫田小学校では、地域の特性を生かした教育プログラムを実施しています。今年も全校児童が協力し、5月に行ったキヌヒカリの苗植えの成果を収穫するため、稲刈り体験が開催されました。このプログラムは、小規模校の特性を強かし、学年ごとに分けるのではなく、全校児童が一斉に参加することを目指しています。
学校の教育方針として、「自然と触れ合いながら、食べるものの生産過程を理解してほしい」という思いが強く、地元の農家や保護者の支援を受けながら活動を続けています。これにより、子供たちは実際に田んぼで働く体験を通じて、食の重要性を学ぶことができるのです。
稲刈り当日、53人の児童たちは長靴と軍手を装着し、地元農家や保護者と一緒に学習田に集合しました。先生からは「稲を束ね、手を切らないように親指を上にして持ちながら刈りましょう」といったアドバイスがあり、慎重に稲を刈るコツを教えてもらいました。いざ田んぼに入ると、鎌を持ちながら皆が一生懸命に稲を刈り取っていきます。
農家の方々と共に次々と稲を刈り取る様子は和やかで、児童たちの笑顔が満ち溢れました。刈り取った稲は適量に束ね、稲木に掛けていきました。子供たちは、「暑かったから稲が育つか心配だったけど、みんなでできて楽しかった!」「初めは難しかったけど慣れたら早く刈れるようになった」と、楽しげに話してくれました。
このような体験を通して、子供たちは食に対する理解を深め、大人になった時に自然の恵みを大切にする心を育てることが期待されています。樫田地区の秋は、こうして子供たちの笑顔と共に深まっていくことでしょう。