楽天銀行がNew Relicを導入し基幹システムの可観測性を向上
楽天銀行がNew Relicで基幹システムを強化
楽天銀行は、デジタルビジネスの成長に伴い、業務を支える基幹システムの可観測性向上を目指して、New Relicを導入しました。これにより、システムの安定性を高め、迅速な問題解決を可能にしています。
導入背景
楽天銀行は、イーバンク銀行から発展したデジタルバンクで、現在は世界で19億以上のサービス利用者を抱える「楽天経済圏」の一部として急成長を遂げています。口座数は2025年に1700万を超える見込みで、預金残高も11兆円を突破しています。
急速な成長の中で、楽天銀行は基幹システムを24時間無停止で運用する必要に迫られています。大規模化するシステムにおいて、万が一の問題発生時には迅速に原因を追究し、安定した運用を維持することが求められています。
New Relic導入の決定要因
このような状況の中で、楽天銀行はNew Relicのオブザーバビリティプラットフォームを導入することを決定しました。選定理由としては、使いやすいユーザーインタフェースが挙げられます。開発・基盤・運用部門の各チームが、必要な情報を素早く取得できるようになり、問題の早期発見と対処が可能になりました。
セキュリティに関してもNew Relicは高く評価されています。個人情報を含まないメトリクスデータのみを扱うため、楽天銀行のセキュリティポリシーに適合しています。これにより、システム観測における柔軟性も確保されています。
基幹システムの運用
楽天銀行では2022年にNew Relicを導入し、その後基幹システムの観測を開始しました。新たに「Red Hat OpenShift」上に構築されたコンテナプラットフォームに移行し、システム機能のコンテナ化を進めながら、観測にもNew Relicを利用しています。定期的なメンテナンスによる影響も、新しいダッシュボードを通じて確認し、問題が発生した場合には迅速に対応しています。
従来は多くの技術者がトランザクションの監視を行っていましたが、New Relicを導入することで少数の技術者による効率的な監視が実現しました。
今後の展望
楽天銀行は、今後基幹システム以外のシステムにもNew Relicを展開し、テスト時のパフォーマンス計測やエラーの特定など、開発プロセス全体に観測を組み込む計画を進めています。これにより、開発スピードとシステム機能の拡張性を両立させるとともに、高い可用性を保つことが可能となります。
楽天銀行のシステム本部長である早川一氏は、「New Relicの導入により、具体的なサービス機能の稼働状況を詳細に把握できるようになり、即座に問題の原因を特定できる」とコメントしています。このように、業務のモニタリングが格段に向上したことで、銀行業務の信頼性も向上しています。
New Relicについて
New Relicは、2008年に設立されたオブザーバビリティプラットフォームを提供する企業であり、世界中の16,000以上の顧客がそのサービスを利用しています。デジタルビジネスにおけるトラブルを迅速に解決し、企業のデジタル変革を支援する力を持っています。
会社情報
- 会社名
-
New Relic株式会社
- 住所
- 東京都中央区八重洲2丁目2番1号東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー7階
- 電話番号
-
03-4577-9065