郵便局の内部暴露『ブラック郵便局』が明かす暗黒の実態とは

郵便業界の裏側を暴く衝撃のルポ

最近、書店に並ぶ話題作『ブラック郵便局』が、我々の日常生活の一部である郵便局の暗黒面を大胆に暴露しています。この本は、西日本新聞の記者である宮崎拓朗氏が、6年以上にわたって調査した結果をまとめた作品です。郵便局の内部がどのような実態にあるのかを知る貴重な資料として、多くの人々の関心を集めています。

著者は、2018年に「はがきの販売に過剰なノルマを課され、自腹で購入している」という記事をきっかけに、全国から内部告発を受けるようになりました。多くの郵便局員から寄せられた声は、現場の深刻な実態を伝えています。保険営業の不正や立場の弱い局員へのパワハラ、そして悲劇的な自死といった問題が横行していることが明らかになってきました。

窓口の光と影

郵便局は私たちの生活の中で身近な存在です。ところが、その裏側には恐ろしい現実が潜んでいます。著者は、郵便局員たちの「もう限界です」との声を伝えています。特に、過剰な販売ノルマやハラスメント、パワハラなどが深刻な問題として報告されています。実際に、「年賀はがきの自爆営業で総額100万円ぐらいは身銭を切ってきた」と語る局員も存在しました。

この実態は、ノルマを達成するために不正を行うよう強迫される状況を作り出しています。局長は、政治活動に付き合わされるなど、業務に専念することができない環境に置かれている現実も指摘されています。

絶望の声

内部告発者たちの声は、もはや彼ら自身の命が脅かされているという恐怖に満ちています。「出勤するのが怖く、電車に飛び込みたくなるときがある」といった切実な訴えが、それを物語っています。情報提供者と連絡を取りながら、著者は多くの問題を掘り下げ、読者にこの現実を伝える努力をしてきました。

書籍の意義

『ブラック郵便局』は、単なる告発にとどまらず、これまで知られてこなかった郵便局の内部事情を明らかにする重要なルポルタージュです。地域に根ざした局員たちが、見えない闇に苦しむ姿を追いかけ、そこで起きている出来事に光を当てています。本書は、私たちの社会における労働環境の在り方を考えさせる一冊となっています。