長野県信州上田観光協会とtriplaの連携
長野県信州上田観光協会が運営する公式観光サイト「うえだトリップなび」に、宿泊予約システム「tripla Book」が導入されました。この新しいシステムの導入により、観光情報の閲覧だけでなく、宿泊の予約から決済までのプロセスがシームレスに行えるようになります。これにより、市内の宿泊施設の販路が拡大し、特にインバウンド受け入れの環境が整備されることが期待されています。
導入の背景と目的
「うえだトリップなび」は年間約60万PVの訪問がある主要な観光サイトですが、宿泊予約機能がないために十分な集客ができていないという課題がありました。観光情報サイトと宿泊予約サイトが分かれていることで、宿泊施設への誘導が難しく、予約情報が地域に蓄積されないため、効果的なデータの活用やプロモーション戦略を構築することも困難でした。
また、上田エリアにおけるインバウンド受け入れ環境は未整備であり、宿泊施設のうち英語サイトを保有しているのは約30%、オンライン旅行代理店への参画率は8%と、改善が必要でした。このような状況を打破するために、トリプラの「tripla Book」を導入することとなりました。
tripla Bookの特徴
「tripla Book」は多言語・多通貨の決済機能や、満室時にも他の宿泊施設を提案できるグループホテル機能を提供しています。これにより、地域全体の宿泊施設の送客力が向上し、宿泊業のデジタルトランスフォーメーションを促進します。具体的には、以下のような利点があります。
1.
観光情報と宿泊予約の一体化
サイトを訪れたユーザーは、興味のある観光情報を閲覧しながら、同じページで宿泊予約ができ、決済も完了することができます。
2.
地域データの活用によるマーケティング強化
予約や検索データを地域ごとに分析し、需要予測やキャンペーンの設計、体験コンテンツの開発に活用します。
3.
会員獲得とリピート促進
旅行前から旅行後までのコミュニケーションを通じて再訪意向の強いファン層を育成する施策を実施可能です。
4.
OTA手数料の最適化と地域の収益化
地域が予約手数料収益を得られる仕組みを整え、持続可能な地域経済の循環を実現します。
長野県信州上田観光協会のコメント
観光サイトに「上田OTA」がローンチされたことで、すでに10施設が登録され、さらに20施設が登録準備中です。最終的には50施設の登録を目指しており、ユーザーの利便性や宿泊施設の販路拡大、OTA手数料削減による利益率向上が期待されています。観光マーケティング機能を活用し、上田のファンを増やす施策を推進していく方針です。
トリプラのビジョン
トリプラのCEO、高橋和久氏は、「うえだトリップなび」にtripla Bookを導入できたことを喜び、観光のモデリングが進み、宿泊予約の流れがスムーズになればと思っています。このシステムによって、さまざまな言語での予約や多通貨決済が可能となり、高いコンバージョンが得られることに貢献できると述べています。
まとめ
宿泊予約システムの導入は、長野県信州上田の観光業において新しい時代の幕開けとなります。観光情報と宿泊予約の一体化を実現することで、地域の魅力を最大限に引き出し、持続可能な観光地経営のモデルを構築していくことが期待されます。今後の展開にも注目が集まります。