テクノクラフトと日本救急医療教育機構の取り組み
株式会社テクノクラフトは一般社団法人日本救急医療教育機構と協力し、医療現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた実証実験を開始しました。この実験では、バイタルデータ可視化システム「バイタルナビ」と特定管理医療機器認定のスマートウォッチ HUAWEI WATCH D2(以下「D2」)を活用します。
日本の医療現場の現状
現在、日本の医療現場は人手に依存したモデルの限界に直面しており、特に急性期・回復期における看護師不足が深刻な問題です。この背景を受け、この実証実験により業務の効率化と診療品質の向上を同時に図り、医療システム全体の改革を促進することを目指しています。
実証実験の概要
本実証実験では、医療機関内でバイタルナビとD2を使って、実際の運用における有効性を検証します。具体的な目標は業務効率を高め、診療の質を向上させることです。
各社の役割
- - テクノクラフト: 機器の調達、初期設定、研修の提供、現場サポート、バイタルナビの提供。
- - 日本救急医療教育機構: 病院との窓口業務、利用規約・同意書の整備、現場サポート、KPIデータの収集。
- - 総合病院: バイタルナビとD2を用いた実験協力。
期待される効果
1.
看護ラウンドの効率化: 遠隔でバイタルを測定することで、看護ラウンドにかかる時間を削減し、データの未取得を減らすことが期待されます。
2.
診断精度の向上: リアルタイムで継続的なバイタルデータを取得することで、細かい症状やパターンを把握し、診断精度を向上させます。
3.
リハビリ支援の強化: リハビリ中のバイタルデータを継続的に記録し、身体機能の改善へむけた具体的な評価が可能になります。
バイタルナビの特長
D2から得たバイタルデータはテクノクラフトのクラウドで分析され、バイタルナビを通じて可視化されます。使いやすいインターフェースにより、医療スタッフが直感的に操作できます。また、院内の閉域ネットワークにより、患者、看護師、医師間でリアルタイムに情報を共有する仕組みを実現します。これにより、24時間体制でバイタルデータの収集が可能となり、新しい診療報酬の仕組みを構築することが期待されています。
今後の展望
本実証実験で設定したKPIを達成することで、その成果を基に医療福祉業界全般への展開を目指します。また、新たにアプリを開発し、地域の循環器予防や在宅リハビリ支援に関するサービスも増やしていく計画です。さらに、ビッグデータを活用したアルゴリズム販売を通じて、新しい収益モデルの創出も視野に入れています。
テクノクラフトと日本救急医療教育機構は、今回の実験を通じて日本の医療現場が抱える課題を解決し、持続可能な医療システムの構築を目指していきます。