2025年シルバーウィークの旅行動向
2025年のシルバーウィーク(9月12日~23日)における旅行動向が、TimeTree未来総研と旅行アプリ『NEWT』の共同調査によって明らかになりました。この調査により、2019年と比較して未だコロナ前の水準には達していないものの、旅行需要の回復が着実に進んでいることが分かりました。
旅行予定の回復状況
2025年の旅行予定登録数は2019年比で84%に達しており、2020年、2021年と続いた旅行需要の減少から回復基調にあることが確認されました。特に、20代と30代の若年層が旅行需要の中心となっており、シルバーウィークの旅行を積極的に計画しています。一方で、40代以降の世代は相対的に低調な傾向が見受けられました。
旅行スタイルの二極化
海外旅行では“安近短”の傾向が強まり、近場のアジア諸国(韓国やフィリピン、ベトナムなど)が人気を集めています。特に、物価が安く、短期間で楽しめることから旅行者の支持を受けています。今年の旅行計画では、全体の約3割が連休直前の8月に集中するなど、思い立ったらすぐに行動に移す姿勢が強まっています。
一方で、ハワイを選ぶ人々は有給休暇を活用し、長期休暇を取って旅行する様子も見られ、旅行スタイルの多様性が顕著です。
国内旅行のトレンド
国内旅行に目を向けると、大阪、沖縄、北海道、東京が人気の目的地として常に上位に位置しています。特に、連休後半には自然豊かな観光地として長野、那須、箱根が注目されています。これは、早めに計画しながら、途中でリフレッシュを図る人が多いからです。
さらに、シルバーウィークならではのアクティビティとして、ぶどう狩りや梨狩りなどのフルーツ狩りが人気を呼んでおり、地域密着型の体験型レジャーが増加しています。
代表者のコメント
TimeTree未来総研の所長、深川泰斗氏は、今回の調査を通じて若年層が旅行需要を牽引していることが確認できたと述べます。また、20代、30代がシルバーウィークをいかに活用するかが重要な要素になっていると強調しました。共同調査によって得られたデータは、旅行行動を理解する上で特に貴重であり、今後もこのデータを活用し、旅行の未来を探求していく方針です。
一方、株式会社令和トラベルの執行役員、大木優紀氏は、35年の旅行スタイルが分化してきていることを指摘し、旅行計画の柔軟性や工夫次第で多様な体験を楽しむことができるとし、新たなトレンドの解明に向けて今後も精力的に調査を続けていくと述べています。
2025年のシルバーウィークは、若年層を中心に回復した旅行需要を直接反映した好例と言えるでしょう。この時期だけの特別なイベントやアクティビティも含め、多くの人が旅を通じて新しい出会いや発見を楽しむことが期待されます。