ASEAN諸国の学生が守谷工場を訪問し冷凍技術を学ぶ

株式会社前川製作所・守谷工場にてASEAN工場見学会を実施

2025年8月28日、茨城県守谷市にある株式会社前川製作所の工場にて、アセアン事務局が主催する工場見学会が開催されました。本イベントは、農林水産省の「日・ASEAN食産業人材育成官民共同プロジェクト」の一環として行われ、ASEAN諸国から来た学生たちが参加しました。株式会社前川製作所は、世界シェア40%以上を誇る産業用冷凍機を専門に製造・販売している企業であり、自社の技術を次世代に伝える重要な機会として位置付けています。

開催の背景

前川製作所は、アセアン食産業人材育成協会からの依頼を受けて、ASEAN10カ国の大学に向けて食品冷凍・冷蔵技術に関する講座を提供してきました。特に、2015年以降はコロナ禍の影響を受けてオンライン講義も導入し、延べ20回以上の講座を実施。これまでの貢献が認められ、ASEAN事務局からは感謝状も受け取っています。今回の工場見学は、これらの講座の一環として企画されたものです。

イベントの詳細

工場見学は、農学や食品に関心を持つ学生を対象に行われ、具体的には「スーパーフレッシュZERO」という高湿度冷蔵用クーラーや、チキンの全自動脱骨ロボット「トリダス」の実演が行われました。デモンストレーションでは、実際にチキンを投入し、脱骨の工程を観察できる機会が設けられました。また、1か月間保管したシャインマスカットの試食も行われ、参加者はその鮮度保持の効果を直接体感しました。

特にASEAN諸国では農産物の保存が重要な課題とされているため、参加者からはその技術への熱心な質問が寄せられるなど、関心が高まっていました。技術の具体的な仕組みやその効果についての理解が深まったことは、今後の実践的な応用に繋がるでしょう。

さらに、工場内の社内研修施設「マエカワアカデミー」では、-25℃の冷凍庫体験も行われ、濡れたタオルが瞬時に凍る様子を実感するなど、冷凍技術の魅力を直接体験しました。加えて、エアカーテン「Thermoshutter（サーモシャッター）」および「Bugshutter（バグシャッター）」の特長とその効果についても説明があり、学生たちは新しい知識を得ることができました。