石狩再エネデータセンター第1号とニュートラDCの提携
2025年、北海道の石狩で運営される再生可能エネルギーを活用したデータセンターが、シンガポールのニュートラDCシンガポールと戦略的な提携を結びました。この提携は、石狩からアジアのネットワークの中心であるシンガポールに至る大規模なデジタルインフラの展開を目指しています。両国間のデータフローを強化することが主な目的であり、データセンター事業者とGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)ユーザーを集めるための基盤を整えるものです。
提携の核心内容として、ニュートラDCシンガポールはシンガポールやインドネシアにあるデータセンターを通じて、石狩再エネデータセンター第1号に対してコロケーションサービスを提供します。このサービスにより、石狩でのデータ処理能力が飛躍的に向上し、地域のデータセンター利用者に新たなビジネスチャンスが広がる見込みです。
さらに、2026年8月には北海道石狩と東京都大手町を結ぶオールフォトニクスネットワーク(APN)であるIOWN(アイオン)が開通予定となっています。このネットワークの人気を利用して、ニュートラDCシンガポールのネットワークPOP(ポイント・オブ・プレゼンス)が石狩再エネデータセンター内に設置される計画が進んでいます。これにより、北海道石狩とシンガポール間でのデジタルサービスがより身近なものに感じられるようになります。
ニュートラDCシンガポールは、この新たな進出の場として北海道を非常に適した地域と考えており、石狩新港地域にRE100ゾーンにおいて、新しいデータセンター事業を育成するための支援を行います。これにより、持続可能なエネルギーを利用したデータセンターが地域経済の発展に貢献することが期待されています。
特に、両社はクロスボーダーでのGPU-as-a-Service(GaaS)事業の共同開発にも取り組む方針です。ニュートラDCシンガポールはGPUシステムの設計やAIコンピューティングサービスにおいて主導的な役割を果たし、石狩でもそのサービスを利用できるようにする予定です。この取り組みにより、来るべきAI時代に向けて、北海道からシンガポールへのデジタル流通が加速するでしょう。
この戦略的な提携が実現することで、両国の経済的交流が進むのはもちろん、デジタルインフラ構築を通じた地域活性化にも資することが期待されています。さらに、北海道庁からの支援も受けられることで、今後の事業展開に弾みがつくことが見込まれています。2025年にはシンガポールとの商談会に参加し、石狩を視察したニュートラDCシンガポールは、すでに北海道庁との強い関係を構築しています。これらの要素が相まって、今後の展開から目が離せません。
この取り組みを通じて、石狩再エネデータセンター第1号はエネルギー効率の高いデジタル環境の提供を目指し、持続可能な未来への一歩を踏み出すことでしょう。地域経済やデジタル社会の発展に向けて、期待が高まります。