APACのM&A活動
2014-05-19 10:14:17
アジア太平洋地域のM&A活動が急増中:前年度比18%増を記録
アジア太平洋地域のM&A活動が急増中
イントラリンクス・ディール・フロー・インジケーターが発表したデータによると、日本を含むアジア太平洋地域(APAC)のM&A活動は非常に好調であることが分かりました。特に、前年同期比で18%の増加が見込まれ、これは前四半期比でも10%の増加を示しています。
2014年第1四半期までのデータでは、M&A全体の活動も世界全体で前年比16%の増加を記録しています。この良好な結果は、高いレベルの活動が続くことを示唆しており、特にAPAC地域では活発な動きが期待されます。更に、減速傾向にある中国経済がディール動向に悪影響を与える兆候はありません。
日本企業の海外進出
注目すべきは、日本の企業が北米市場での消費材セクターにおいて積極的に活動している点です。サントリーホールディングスは、米蒸留酒の最大手ビームを154億米ドル(約1兆600億円)で買収する計画を発表しました。この取引は、サントリーホールディングスが世界的に見ても3位の蒸留酒製造業者となる重要なステップです。こうした動きは、日本の国内市場が停滞しているため、企業が成長の機会を海外で求める理由を物語っています。
イントラリンクスのバイスプレジデント、フィリップ・ウィチェロ氏は、「世界のM&A市場は健全で、高水準の活動が続く」と述べ、良好な融資環境や資金の効率化によりM&Aによる迅速な成長が求められる状況を指摘しています。
APAC地域のM&A動向
イントラリンクスDFIのハイライトによれば、APAC地域でのディール数の増加は特に目を引くもので、2010年第1四半期以来経年で増加が続いています。このトレンドは今後6ヵ月間も続く見込みで、特にテクノロジー、メディア、消費財セクターでの大型ディールが予測されています。
一方、北米のM&A活動も引き続き増加傾向にあり、前年比で11%の増加が見込まれています。これらのデータは、全体としてM&A市場の底堅さを示しており、各地での活発な取引が期待されています。
グローバルセンチメント調査
また、イントラリンクスは世界のM&Aプロフェッショナルを対象に行った調査結果も発表しています。興味深いことに、回答者の63%が現在のディール環境を楽観的と判断しており、73%は今後6ヵ月でM&A活動が活発になると見ています。特に北米ではその期待が高く、70%が増加を予想しましたが、南米ではやや慎重な姿勢が窺えます。
しかしながら、全体の回答者はディールを進める上での最大の障害として、売り手と買い手の評価額の差異を挙げています。この点は今後の市場においても重要なテーマとなるでしょう。
最後に
M&Aは常に市場動向や経済情勢に影響を受けるものですが、最近のデータが示すように、アジア太平洋地域を中心とした活動は今後も続くと見込まれています。企業は国内市場の低迷を受けて、海外での取引機会をさらに探求し続けるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
イントラリンクス合同会社
- 住所
- 東京都千代田区紀尾井町4番1号ニューオータニガーデンコート10階
- 電話番号
-
03-4510-7900