STARS-EC実験成功
2021-06-29 08:00:02

超小型軌道エレベーターSTARS-ECの実験成功と未来への期待

静岡大学が開発した超小型軌道エレベーター「STARS-EC」が、国際宇宙ステーション「きぼう」から宇宙に放出されて以来、数々のミッションを成功に導いてきました。まず、3月14日に放出されたSTARS-ECは初期運用を開始し、続いて4月16日にテザー伸展のミッションを遂行。5月3日にはリールの回転数計測により、テザーがしっかりと伸展していることが確認されました。さらに、5月10日にはテザーの巻き取りが成功したことが報告され、これにより軌道上でのテザー巻き取りの成功は世界初となります。

テザーとは、宇宙空間で何らかの物体をつなぐための紐やワイヤのことを指します。STARS-ECで使用されたテザーは金属製のコンベックステザーで、宇宙エレベーターの実現に向けた重要な要素であることが明らかになりました。この技術は、地球と宇宙をつなぐための礎となり得るため、今後の宇宙における大きな可能性が期待されています。

特に、テザー技術は宇宙デブリのリサイクルや処理にも応用が考えられています。現在、宇宙には多くの不要な人工物体が存在し、それらが運用中の衛星などにも衝突のリスクをもたらしています。このようなリスクを軽減するためには、宇宙デブリへの接近・捕獲技術の開発が急務であり、STARS-ECで得られるデータは今後の技術に大いに貢献するであろうとされています。

STARS-ECは3UサイズのCubeSatという超小型衛星で、メカニカルな仕組みを駆使してテザー伸展やクライマーの移動を行います。この実験によって、将来的に宇宙エレベーターの建設が可能になり、宇宙へのアクセスが大きく変わると予想されています。

なお、5月のテザー伸展および巻き取りが確認出来たのは「HT」側のみですが、今後の運用では「MS」側のテザー伸展やクライマーの移動に関するフェーズへと進む予定です。これにより、さらに多くの実績が期待されています。

STARS Space Serviceは「138億年後、宇宙から見た地球が美しくありますように」というビジョンを掲げ、宇宙の持続可能性向上に向けた多くのプロジェクトに取り組んでいます。このように、宇宙と環境を結びつける事業は今後ますます重要になってくるでしょう。

詳しくは、静岡大学の能見研究室のSTARSプロジェクトや、三井物産エアロスペース株式会社のウェブサイトで最新情報を確認してみてください。

会社情報

会社名
STARS Space Service株式会社
住所
静岡県浜松市東区大瀬町1844
電話番号

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