次世代バイオ燃料「出光リニューアブルディーゼル」の実証実験開始
出光興産株式会社、大林組、松林の3社が、次世代のバイオ燃料「出光リニューアブルディーゼル(IRD)」の実証実験を行うことを発表しました。この実験は、大林組が施工する建設現場で行われ、2024年11月中旬からスタートします。IRDは、植物由来の廃食油などを原料にして作られる環境に優しい燃料で、燃焼時のCO2排出量を大幅に削減することが期待されています。
IRDは、燃料を積極的に利用していくことで、地球環境へ与える負荷を減少させることを目的としています。燃焼時にCO2を排出するものの、原料となる植物が成長する過程でCO2を吸収するため、カーボンニュートラルな特性があります。実証実験では、大林組が使用する建設機械にIRDを供給し、その性能を検証します。
出光興産は、海外から調達したリニューアブルディーゼルを独自の品質基準を満たしたIRDとして販売し、既存のインフラを活用することで運輸業と建設業界における普及を目指しています。新たな燃料の使用により、エネルギー循環型社会の実現へ向けた一歩を踏み出すことに期待がかかります。
実証では、大林組が施工する建設現場において油圧ショベルなどの建設機械にIRDを使用します。IRDは松林のネットワークを通じて効率的に現場へ配送され、パトロール給油という手法で給油が行われます。また、各社は燃料の調達から運用、メンテナンスまでのプロセスを総合的に検証し、IRDの実用化に向けたデータを集積します。
出光興産は、持続可能なエネルギーの安定供給に向けた取り組みの一環として、この実証実験を重要なステップと捉えています。安定した供給網を構築し、全国の特販店ネットワークを活用することで、最終利用者にまで効率的に燃料を供給する計画です。
一方、大林組もこの実証実験によって低炭素燃料の使用拡大とともに、エンジンに与える影響の調査やメンテナンス方法の検討を進めています。大阪・関西万博の建設工事でも100%バイオディーゼルを使用した実証を行っており、その結果を基にさらなる研究へと進みます。
松林も、化石燃料の販売を通じて環境問題に貢献することを目指しています。今後は全国300社以上の配送協力会社を通じ、低炭素燃料の普及を促進し、多様な企業板に提案していく方針です。
この3社は、持続可能なエネルギーの普及とCO2排出の削減に向けて、さらなる連携を強化し、社会全体の環境負荷を低減させる活動を続けていくことでしょう。出光リニューアブルディーゼルの実証実験が成功すれば、建設業界や運輸業界のエネルギーの未来が大きく変わる可能性があります。