福井県にて「IBIS2」と呼ばれる小型ドローンを活用した下水道点検の研修会が行われました。この研修会は、株式会社Liberawareと福井県土木部、さらにVFR株式会社が協力し、九頭竜川浄化センターで実施されました。これにより、狭小な空間における点検技術の高度化と実用化を目指しています。
実施概要
研修は坂井市の九頭竜川浄化センターで開催され、参加者は点検の概要説明を受けた後、「IBIS2」のデモ飛行を体験しました。このセンターは、福井市やあわら市、坂井市から流入した汚水を処理し、九頭竜川に放流する重要な施設です。1977年に整備が始まったこの施設は、近年、老朽設備の改築や耐震化が進められており、時代のニーズに応じた管理が求められています。
背景と必要性
国土交通省の調査によれば、日本の下水道管路は約50万kmに及び、その中で約7%が標準耐用年数である50年を超えています。さらに、将来的には約42%になることが懸念されており、老朽化したインフラの管理が喫緊の課題となっています。このような状況下、2025年に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、老朽化した下水道管の破損が一因と考えられ、管理体制の強化が求められています。福井県でも「下水道基幹施設耐震化事業」を通じて効率的なインフラ管理に取り組んでおり、既存の老朽化した下水道管の点検と診断に必要な技術者の不足も深刻な問題となっています。
このような背景から、福井県では教育の場を設け、下水道点検の技術をDX化し、さらに必要な知識の向上を図ることを目的とした研修会が行われたのです。各社の役割には、福井県が課題提示、VFRが現場対応、Liberawareが点検プロセスの構築を担いました。
研修会の詳細
研修内容としては、IBIS2を使用してコンクリート壁面のひび割れや腐食といった状況の可視化を行い、データを基に三次元モデリングも実施しました。また、飛行経路や安全確認についてのプロトコル検証も行い、課題や改善点を参加者で共有しました。これにより、今後の点検業務での安全性や効率性の向上が期待されています。
今後の展望
国や自治体にとって老朽化インフラの管理は急務となっていますが、IBIS2の導入による調査手法の検証は、今後の維持管理において新たなソリューションとして注目されています。この研修会を通じて得られた知識と技術は、持続可能なインフラ維持管理のために活用されることでしょう。
会社概要
福井県土木部では、下水道の維持管理や新技術の導入、DX推進を行っています。また、VFR株式会社はドローン技術の企画・製造・販売を手掛け、株式会社Liberawareは特に屋内空間の点検に特化したドローン開発を行っています。これらの企業が協力し合い、安全で信頼性の高いインフラ管理を実現することを目指しています。