放射冷却素材「Radi-Cool」の拡大
日本空港ビルデング株式会社は、環境への配慮からカーボンニュートラルを目指し、さまざまな先進的な取り組みを行っています。その一環として、2020年より放射冷却素材の開発を行うラディクールジャパン株式会社と連携し、羽田空港において独自の暑さ対策を進めてきました。
夏季の暑さ対策
夏の暑い日には、空港内でもパッセンジャーボーディングブリッジ(PBB)やターミナルビルと駐車場をつなぐ連絡橋など、暑さの問題が顕著になります。しかし、放射冷却フィルム「Radi-Cool(ラディクール)」を導入することで、この問題に立ち向かうことができました。このフィルムは、設置された場所の温度を約4℃から5℃も低減させることが確認されています。これにより、羽田空港を利用するお客さまやスタッフに、より快適な環境が提供されています。
環境にも配慮した技術
「Radi-Cool」は、太陽光を反射し、自然現象である放射冷却を利用して室内の熱を放出する技術です。このため、冷房にかかるエネルギーの消費を削減し、地球環境にも優しい製品です。具体的には、直射日光を反射することと、室内の熱を放出する機能を組み合わせています。これによって、空調の効率を向上させ、エネルギーの無駄遣いを防いでいるのです。
日産自動車との協力
さらに、日産自動車株式会社が行う自動車用自己放射冷却塗装の実証実験にも「Radi-Cool」が関与しています。2023年11月から羽田空港で実施されるこの実験は、自動車の燃費や電費の向上に貢献することを目指しています。この施策には、ラディクールジャパン株式会社が販売代理店として協力し、新たな市場に進出する準備を進めています。
多様な導入先
「Radi-Cool」は空港だけでなく、全国のホテル、病院、学校、飲食店舗、さらには鉄道会社や通信会社の高圧受変電設備にも導入されており、需要が高まっています。これにより、さまざまな業界での展開が期待されるとともに、持続可能な社会への貢献も進められています。
まとめ
放射冷却素材「Radi-Cool」は、快適な空間を作り出しながらエネルギー効率を改善する革新的な技術です。羽田空港における取り組みに加え、全国各地への展開が進むことで、ますます多くの人々にその恩恵がもたらされるでしょう。今後のさらなる発展が楽しみです。