就職活動における生成AIの利用実態、57%がWeb面接中に参照

就職活動における生成AIの実態

近年の採用活動では、Web面接が一般化し、その利便性から多くの企業がこの選考方法を採用しています。しかし、面接中に生成AIを参照しながら回答する行為が広がりを見せており、採用の公正さに疑問が生じています。株式会社サーティファイが実施した調査によれば、57%の学生がWeb面接中に何らかの形で生成AIを活用していることがわかりました。

調査背景と目的

特に採用DXや人材獲得競争が激化する中で、就職活動のオンライン化は急速に進みました。そのため、学生たちは面接での回答に不安を感じており、AIに依存する傾向が見られます。この現象は米国ではすでに問題視されていますが、日本でも類似のサービスが登場し始めており、その影響が懸念されています。

サーティファイは、2024年から2027年の卒業予定者を対象にWeb面接における生成AIの利用状況を調査しました。結果は以下の通りです。

調査結果の概要

この調査には418名が参加し、得られたデータは非常に興味深いものでした。全体の64%が面接準備において生成AIを利用しており、その中の86%に相当する232名が、準備した回答を面接中に参照したという結果が出ました。さらに、全体の22%が面接官の音声をリアルタイムで生成AIに入力し、45%が生成AIによる回答支援を受けていたのです。これにより、Web面接中に生成AIが大学生に広く浸透していることが浮き彫りになりました。

具体的な活用方法

生成AIを利用した理由としては、最も多かったのが「頭が真っ白になることを防ぐため」というもので、35%の学生が回答しました。また、「他の学生も使っているので、自分も使わないと不利になる」との不安からも利用が増えているようです。このように、AIの利用が自己防衛のための手段として浸透していることがこの調査からも透けて見えます。

面接準備で使用されたAIの中でも、ChatGPTの利用が際立っており、他のAIと比べて圧倒的に多くの学生が選んでいました。この結果は、学生が企業ごとに特化した模範回答を生成する傾向を示しています。