dSPACE、車載レーダーテストの革新を発表
dSPACEは、パリで開催されたEuropean Microwave Week(EuMW)において、車載レーダーセンサの分離と干渉テストを向上させる新たな効率的テストソリューションを発表しました。これにより、従来の長時間費やしていたテストが、制御されたラボ環境内で迅速に実施可能になります。
このソリューションは、Essential 2Dレーダーテストベンチをアップグレードする形で提供され、再現性のある角度分離テストを実現します。レールシステムを利用することで、相互連携できる2つのDARTSフロントエンドを簡単に統合できるようになります。この技術の提供する利点は、RFフロントエンドの小型化に成功し、優れたシミュレーション品質を実現するという点にもあります。
特に、DARTS 9040-GTは二つのレーダーターゲットを異なる角度からシミュレーションするのに最適であり、将来的なADASの開発において重要な役割を果たすと考えられています。現在、道路上で使用されるレーダーセンサの数が増えており、それに伴って同じ車両内のセンサ間での干渉や、複数の車両間での干渉が発生する懸念が高まっています。
新しいテストソリューションでは、DARTS 9040-Gが76~81 GHzの周波数帯を同時に管理し、干渉を受けた信号をDARTS 9040-GTを通じて重ね合わせることで、テスト対象のレーダーシステムに送信することが可能です。この機能により、干渉を受ける信号にレーダーエコーを加えることができ、実際の運用シナリオにおけるレーダーの正確さを検証する手助けとなります。
dSPACEのプロダクトマネージャであるChristian Schäfersさんは、「この新しいテストセットアップを使用することで、高解像度の車載レーダーセンサの性能評価が格段に容易になります。また、分離や干渉テストはそれぞれブラックボックスとして実施可能で、特別な事前情報は不要です」と述べています。これにより、テストの効率化が大いに進むことが期待されています。
さらに、dSPACEは動的運転シナリオの高精度なテストや、60 GHzレーダーおよび環境シミュレーションを通じてADAS機能のSoftware-in-the-Loop(SIL)テストを行う能力を強化する計画です。このテクノロジーは自動運転車両の安全性や信頼性を確保するための重要なステップとなるでしょう。
dSPACEでは、この革新的なレーダー技術に関するデモをEuMWのブース506Kで実施する予定です。自動運転車両や電気自動車の開発における妥当性確認ソリューションの提供によって、dSPACEはますます多くの自動車メーカーやサプライヤーの信頼を集めています。自社の技術力を活かし、航空宇宙や産業オートメーションなど、多岐にわたる分野での開発パートナーとしても評価されているdSPACEは、これからのモビリティの革新を支え続けることでしょう。
より詳細な情報やdSPACEの製品については、公式ウェブサイト(www.dspace.com)をご参照ください。