オフィスにやってきた“大自然”
東京都港区に位置するトレードピアお台場では、オフィスライフに新しい価値をもたらす試みが始まりました。2025年4月から、同ビルの隣に設置される「Bay Village Farm by grow」では、共同栽培型の農園が展開され、オフィステナント向けの収穫祭が催されました。このイベントは、株式会社Mellow(メロウ)が主導し、都市の中に自然を取り入れるユニークなプランに基づいています。
自然が生み出す交流のプラットフォーム
近年、リモートワークが進む中で、オフィスに通う理由が問われるようになっています。トレードピアお台場は「お台場に畑をつくり、都市を耕そう。」をテーマに、農作業を通じて社員同士の交流を促すことを目的としています。収穫祭では、テナント企業の従業員が収穫した新鮮な葉物野菜を使って自らトッピングした食事を提供し、自然との繋がりを実感することができました。
ファームとテーブルをつなぐ独自の体験
今回の収穫祭では、「ファームトゥーテーブル」と呼ばれるコンセプトが強調されました。これは、生産者から消費者へ新鮮な食材を直接届けるという考え方で、特にアメリカで人気を博しています。オフィスという日常空間で、社員が自ら採った野菜を用いて、キッチンカーで準備された料理を楽しむことで、生活や仕事に新たな視点をもたらしました。
出店したキッチンカー「&me..」は、タイ料理のガパオライスやカオマンガイを提供し、新鮮な野菜との絶妙な組み合わせを実現。イベント中は生ビールやレモネードなどが楽しめ、参加者同士の交流を盛り上げました。
SHOP STOPの役割とは
Mellowが展開する「SHOP STOP」は、オフィスや公共スペースへのキッチンカーの誘致を行い、日常に多様な食文化をもたらすサービスです。トレードピアお台場での収穫祭を通じて、オフィス内のウェルビーイングやコミュニティ形成を支援する新たな試みが進められています。都市型オフィスのあり方を再定義し、「働き方」「食」「コミュニティ」をつなげる取り組みから新しい価値を見いだすことを目指しています。
イベントの詳細
2025年8月28日(木)には、再び「Bay Village Farm by grow」にて収穫祭が催されます。従業員たちは野菜の収穫や手入れ、コンポスト体験を行い、新鮮な体験が得られる機会です。全国的に展開するこの新しい農のあり方は、都市生活に必要不可欠なコミュニティ意識の再生を促進しています。
未来へと続くコミュニティ作り
Bay Village Farmでの収穫祭は、同じオフィスビルで働く仲間達が共同作業を通じて絆を深め、自然と共存する新たな価値観を育む場となりました。苗を植えた苦労や収穫の喜びを共に分かち合うことで、都市での仕事のあり方が進化し、社内のコミュニケーションが生まれています。自然を感じ、共に育つ体験は、ただのオフィスライフではなく、価値ある生活スタイルを築く一歩となるでしょう。
この取り組みが伝えようとしているのは、都市でも自然と触れ合い、人を育て、コミュニティを築くことの重要性です。オフィスでの新たな出社体験は、これからの働き方のひとつの形として注目を浴びることでしょう。