イーベイ・ジャパンが発表した2024年第3四半期越境ECレポートの分析
世界的なオンラインマーケットプレイス「eBay」の日本法人、イーベイ・ジャパンが2024年第3四半期(7~9月)の越境ECに関するレポートを発表しました。本レポートでは、日本のセラーが出品した商品や販売動向が詳細に分かれています。
販売動向の総評
2024年第3四半期において、日本セラーの販売活動は、円高の影響を受けつつも好調を維持していることが明らかになりました。7月初めには1ドル161円という高値を記録し、その後一時20円の円高が進行しました。続く四半期は、前回の4~6月と比べると若干の減速が見られましたが、米国経済は依然として堅調です。そのため、円高の影響は限定的であるとされています。
さらに、米大統領選挙におけるトランプ氏の勝利が予想される中で、経済政策に対する期待感も高まっています。このことは、国内製造業の活性化やGDPの押し上げに寄与し、雇用増加を促す結果につながる可能性があります。
特に注目すべきは、日本製品への関税の増加に関してです。欧州製の中古品や趣味性の高いコレクティブルズに対する需要を背景に、そこまで大きな影響はないと見られています。
人気商品の傾向
レポートによると、メンズアパレルやバッグ、そしてブランド小物は特に成長を見せています。ブランド別では、Onitsuka Tigerが首位を獲得し、AsicsやMizunoもランキングに名を連ねています。これにより、国内ブランドの国際的な認知度の向上が伺えます。
自動車パーツの分野でも成長が著しいと言います。特に、トヨタの車種に適合可能なAISINのウォーターポンプは、需要が急増しています。また、ホンダのバイクモデルに対応したパーツも高評価を得ており、穏やかな価格で純正部品を手に入れられることが人気の要因とされています。
デジタルカメラ市場の成長
また、デジタルカメラも前年同期比で2桁成長を遂げています。SNSの普及により、手軽にデータを共有できるという特性が、コンパクトなデジタルカメラへの需要を高めているようです。この状況は、旅行者が多くなることでさらに拍車がかかり、ハイスペックな製品に対するニーズも変わらず高まっています。
カテゴリーランキングと成長率
2024年第3四半期におけるカテゴリーランキングでは、レディースアパレルやバッグが上位を占め、アニメアートやキャラクターグッズがカメラ関連商品を追い越す結果となりました。これは日本独自の文化や製品が、海外での人気を高めていることを示しています。
今後の施策
イーベイ・ジャパンは、これからもオンラインセラーが安心してビジネスを展開できる環境整備に注力していくとのことです。特に、米国の政治的な動きや為替変動に対して、的確なサポートを行うことを誓っています。また、様々な商況分析を提供し、セラーの成長に寄与することを目指しています。
まとめ
イーベイ・ジャパンの越境ECに関するレポートは、いかに日本のセラーが海外での市場拡大に取り組んでいるのかを知るうえで非常に興味深い内容です。円高に見舞われる中でも、日本製品の需要は依然として高く、今後の市場展開にも期待が持てそうです。これからの越境ECの動向に注目が集まります。