教職員向けネットいじめ研修動画教材が文部科学省から提供開始
教職員向けネットいじめ研修動画教材が文部科学省から提供開始
いじめ問題は現代の教育現場において深刻な課題の一つです。特に近年、インターネットやSNSの普及に伴い、ネットいじめの被害が増加しています。文部科学省では、教職員がこれに対処するための知識とスキルを向上させることを目的として、新たに動画教材「ネットいじめ研修」を作成しました。
ネットいじめの現状
文部科学省が実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、ネットいじめを定義する際、パソコンやスマートフォンを通じて行われる誹謗中傷や嫌がらせが含まれることが分かっています。令和4年度の調査結果では、ネットいじめの事例は23,920件と、過去最高の件数を記録しました。
さらに、令和5年度からは、いじめの重大な事態について国への報告が義務付けられ、150件の重大事態の中から28件がネットいじめに該当することが確認されました。このような状況を受けて、文部科学省は対策を強化する必要があると判断しました。
研修動画の内容
研修動画は、兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄教授の協力を得て作成されています。内容は以下のように構成されています。
1. 社会背景
教職員がネットいじめの背景を理解するための資料です。
2. いじめ理解
いじめの基本的な理解を深めるための複数のPowerPoint資料が用意されています。いじめがどのように発生するのか、そのメカニズムについて詳述されています。
3. いじめっ子理解
いじめを行う側の心理や行動を理解するための資料です。
4. いじめ対策
具体的な対策方法について解説された資料が含まれています。
これらの動画教材は、各学校の特性やニーズに合わせて活用できるように設計されています。教職員が効果的にネットいじめに対処できるよう、教育現場での理解を促進することを目指しています。
利用方法
研修用の動画は、文部科学省の公式YouTubeチャンネルで視聴可能です。また、関連資料もPDF形式で配布されていますので、必要に応じて適宜統合して活用することができます。これにより、教職員は自らの知識を深め、子どもたちの安全を守るためのスキルを磨くことが可能となります。
お問合せ
本研修動画教材に関するお問合せは、文部科学省初等中等教育局児童生徒課へお願いいたします。
教育現場でのいじめ対策が一層の充実を図るため、多くの教職員の参加と理解が求められています。ネットいじめの問題に対して、教育現場が united in action で取り組むことで、より良い学習環境の確保が期待されます。