越境ECが織りなす新しいファッションの潮流、MARSの中国進出
越境EC事業を手がけるインアゴーラが、地雷系ファッションを展開するMARS(マーズ)との提携を発表し、中国市場への本格的な進出を開始しました。中国消費者に向けた日本商品特化型越境ECプラットフォーム「豌豆(ワンドウ)」を通じて、Z世代向けの新しいファッションを届ける取り組みです。
インアゴーラとMARSのパートナーシップ
インアゴーラ株式会社は、「ショッピングに国境はない」というスローガンのもと、日本の優れた商品を中国に展開しています。今回、MARS(販売業者は株式会社モナリザ洋装店)との提携により、2024年7月からの試験的な販売を経て、中国市場での認知度向上を図ってきました。
特に注目すべきは、2025年6月に行った店頭ライブで、人気KOL(キーオピニオンリーダー)を起用し、通常時の約8倍という売上を達成したことです。この成功を受け、インアゴーラは様々な販売チャネルでの展開を進めています。
地雷系ファッションの魅力
MARSは「量産型・地雷系」として知られるファッションスタイルをリードしています。目指すのは、「誰よりも可愛く」といったコンセプトで、特有のガーリーなファッションを提供しています。量産型は明るい色使いとガーリーさを特徴とし、一方地雷系は「病み系」の要素を取り入れたスタイルです。これらは、アニメやマンガのキャラクターから影響を受けたファッションとして、多くの若者に支持されています。
市場動向とZ世代の影響
最近、中国のZ世代は消費の中心としての地位を確立しつつあり、特に「二次元」関連商品への需要が高まっています。インアゴーラはこのような消費動向を把握し、MARSの中国進出を全面的にサポートする運びとなったのです。
SNSを活用したマーケティング戦略
WeChatユーザーグループ
インアゴーラは中国で最も利用されているソーシャルメディア「WeChat」を活用し、共通の趣味を持つユーザーグループを運営。これにより、ユーザーとの直接的なコミュニケーションを図り、認知度を拡大していく戦略を採用しています。
小紅書(Rednote)での取り組み
さらに、小紅書(Rednote)では、MARSのブランドアカウントの運営を代行しており、わずか8か月でフォロワー数が約2万人を超えました。また、投稿には高い反応が寄せられ、多角的な認知拡大に寄与しています。
複数の販売チャンネルを通じた展開
MARSは、WeChatのミニプログラムや小紅書でのライブ販売など、複数のプラットフォームを活用して販路を拡大しています。特に、WeChatのミニプログラム「谷gogo」では、Z世代向けの二次元アイテムを幅広く扱っており、毎日10時間のライブ投影を行っています。
消費傾向の変化
中国の若者は、経済の不透明感から消費行動に変化が見られます。以前の「爆買い」から、よりパーソナルな価値観に基づいた消費へとシフトしています。この背景により、自己満足や生活の質を高めるための消費に積極的です。
インアゴーラは、将来的にも日本の魅力的な商品を海外の顧客に紹介し続けさらなる市場開拓を目指していきます。