アクティオの革新的技術「根こそぎ切るソー」が受賞
株式会社アクティオが開発した「根こそぎ切るソー」が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2025年度グッドデザイン賞」を受賞しました。この技術は、都市環境における伐根作業に革命をもたらすものとして注目されています。
伐根作業の課題
近年、都市の景観を構成する街路樹の老朽化が進み、倒木やそれに伴う事故が懸念されています。そのため、伐根作業は安全性や環境への配慮が求められるようになりました。従来では、複数の作業者がチェーンソーを使用し、長時間かかる作業となっており、騒音や木屑の飛散など周辺環境への影響も無視できない問題でした。
「根こそぎ切るソー」の特長
「根こそぎ切るソー」は、バックホーに円筒形のホールソーを取り付けることで、切り株にかぶせて回転させて地中の根を切断します。この方法により、以下の特長が実現されます。
1.
安全な作業環境 - 木屑の飛散を防ぎ、作業者や通行人の安全を確保。
2.
周囲の構造物を傷めない - 地面やブロックを傷つけず、追加の補修工事が不要となるため、コスト削減に寄与します。
3.
低騒音・高効率 - バックホーのエンジン音のみで約10分での伐根が可能となり、街中での作業に適しています。
この技術は、従来の作業時間を約3分の1に短縮し、1日の作業で6~7本の伐根が可能です。これは従来の2~3本に比べて飛躍的な効率化を実現しています。
審査委員の評価
グッドデザイン賞の審査委員からは、従来の方法に比べて大幅に効率化された点や、周辺環境への配慮が高く評価されました。特に、作業が持つ革新性と人材不足への対策が注目されており、公共工事の新たなスタンダードとして期待されています。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、1957年に創設された日本のデザイン評価制度で、優れたデザインを選定し、社会の課題解決に寄与することを目的としています。受賞のシンボル「Gマーク」は、多くの人々に親しまれています。
アクティオが手掛ける「根こそぎ切るソー」は、新たな街路樹の伐根作業におけるスタンダードを築く可能性を秘めており、今後の発展にも期待が寄せられています。これからの都市環境づくりにおいて、こうした革新的な技術がどのように活用されるのか、注目が集まることでしょう。