VHF帯無線映像伝送
2026-05-28 11:57:43
取り組み進むVHF帯無線映像伝送システムの最新技術実証
京都大学のVHF帯無線映像伝送システム
京都大学大学院情報学研究科の原田博司教授の研究グループが、狭帯域IoT通信システム向けの新しいVHF帯(220MHz帯)の無線映像伝送システムを開発しました。このシステムは、2025年の総務省情報通信審議会による正式な報告に則って設計され、長距離の映像伝送に特化しています。実際に、約34kmの距離での映像伝送に成功したという実績もあり、新たなアプリケーションの実現が期待されています。
IoTと無線通信の進展
近年、IoT(Internet of Things)技術の進化により、センサーやメーター、モニターを駆使して現場情報を収集したり、遠隔操作を行ったりする取り組みが活発化しています。このような流れの中で、無線通信を用いたIoTシステムに対する需要も高まっており、これまでは主にUHF帯(920MHz帯)が利用されてきました。ただし、この周波数帯は送信電力が最大250mWに制限されているため、数十キロメートルに渡る映像伝送には限界がありました。
そのため、より広範囲に対応できるVHF帯を利用した新たな狭帯域IoT無線システムの開発が進められてきたのです。2025年の報告では、最大5Wの空中線電力を利用可能な技術条件が示され、これによりドローンによる設備点検や物資輸送など多様な用途が考えられています。
実証実験の詳細
今回の研究では、VHF帯の上側周波数帯である220MHz帯に対応する無線システムを開発し、実際に約34kmの距離で映像を伝送するという実験を行いました。送信機は奈良県御所市の葛城山ロープウェイの山頂に設置され、一方受信機は京都府木津川市の京都大学木津農場に設置されました。両地点の距離は33.6kmにも及びます。
この実験で使用した無線装置は、国際標準規格「IEEE 802.15.4 SUN」に準拠したWi-SUNシステムを土台としています。送信側では無指向性のホイップアンテナ、受信側では指向性のログペリアンテナを用いて、安定した映像伝送を図りました。
送信には4Kカメラと高精度な映像エンコーダを使用し、高品質の映像データを400kHzの狭帯域の中で効率よく圧縮して送信しました。受信側では、デコーダとディスプレイを通じて、約34kmの距離での映像受信に成功しました。その結果、受信レベルは-75dBm、さらにパケットエラー率は0%を記録し、映像伝送が安定して行えることが確認されました。
今後の展望
このVHF帯無線映像伝送システムの開発により、従来の移動通信システムでは難しかった30km以上の長距離映像伝送が実現しました。今後は、より広帯域で利用できるOFDM方式を用いた通信実験も進め、空中、海上、さらには宇宙空間での映像活用アプリケーションの可能性をさらに探求していく予定です。これにより、特定の環境での映像や情報収集の領域が広がることが期待されます。
会社情報
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京都大学 原田研究室
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