東洋ガラス、水素活用窯開発
2024-06-28 17:32:47
東洋ガラス、NEDO事業で水素活用ガラス溶融窯開発へ!脱炭素化と地域水素利活用に貢献
東洋ガラス、水素エネルギー活用でガラス溶融窯の脱炭素化へ!NEDO事業に採択
東洋製罐グループの東洋ガラス株式会社が、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「水素社会構築技術開発事業」に採択され、オンサイト型水素供給設備を備えたガラス溶融窯の開発に乗り出すことが明らかになりました。これは、同社が2023年6月に採択された「酸素水素燃焼技術の熱需要への応用に関する調査研究」に続く、水素利活用に関する2件目のNEDO事業採択となります。
脱炭素社会実現に向けた水素エネルギー活用
ガラス溶融窯では、従来、大量の化石燃料が使用されてきました。脱炭素社会の実現に向けて、化石燃料から非化石燃料への転換が急務となっています。水素は、その有力な代替燃料として注目されています。しかし、水素をガラス溶融窯の燃料として利用するには、安定的な水素供給体制の構築が不可欠です。
オンサイト型水素供給設備で地域水素利活用を促進
東洋ガラスは、本事業を通じて、地域での水素エネルギー利活用に貢献するオンサイト型水素供給設備の実現を目指します。
従来、ガラス溶融窯の燃料をすべて水素に転換するには、年間で大型水素トレーラー約6,000台以上の水素が必要となります。そのため、工場敷地内に大型の保管用タンクを複数建設し、高圧水素や液化水素に対する厳重な安全管理が必要となる課題がありました。
しかし、水電解タイプのオンサイト型水素供給設備を導入することで、既存の水と電気を利用して需要に応じた水素を製造することが可能となります。これにより、大型の保管設備が不要になり、導入が容易になります。さらに、電気分解に必要な電力を地域の再エネ発電設備から供給することで、地域完結型の水素エネルギー利活用システムの実現も見据えています。
将来的にはガラス溶融窯への実装を目指す
本事業では、オンサイト型水素供給設備のベンチスケールモデルを製作し、将来的なガラス溶融窯への実装に向けた技術開発を進めていきます。東洋ガラスは、環境負荷の低減と従来と変わらない高品質なガラスびんの提供を目指し、水素エネルギーを活用したガラス溶融窯の実現に積極的に取り組んでいく方針です。
東洋製罐グループの長期ビジョンとの連携
東洋製罐グループは、2050年を見据えた長期経営ビジョン「未来をつつむ」を掲げ、多様性を受け入れ、人々がより自分らしく生活できる社会の実現を目指しています。今回のNEDO事業採択は、同グループのビジョン達成に向けた重要な取り組みのひとつと言えます。
東洋ガラスの水素エネルギー活用技術開発は、ガラスびん業界だけでなく、さまざまな産業分野における脱炭素化への貢献が期待されます。今後の開発の進捗に注目していきたいところです。