陸上養殖保険の新たなスキーム構築で水産業の発展を目指す
2023年9月4日、日本動産鑑定と損害保険ジャパン株式会社が業務提携し、陸上養殖業者向けの保険商品の引受け体制を新たに構築しました。これにより、陸上養殖のリスクをカバーするための新しい仕組みがスタートしました。
背景
国連の推計によると、世界人口は今後数十年で大きく増加すると見込まれており、それに伴い水産物などのタンパク源に対する需要が急激に高まる予測です。この新たな需要に応えるためには、持続可能な水産業の構築が求められています。 しかし、現在の水産資源の減少や環境問題、さらにはうねりの影響を受けやすい従来の海面養殖の限界があらわになっています。
このような状況の改善策として注目を集めているのが「閉鎖循環式陸上養殖」です。この技術は、生育環境を完全に制御可能とし、陸上での水産養殖を可能にするもので、低環境負荷で運営できることが特徴です。日本動産鑑定は多くの養殖事業者の評価を行う中で、こうした新たな技術の普及に寄与してきました。
一方で、損保ジャパンはこれまでにも養殖業者に向けた保険商品を開発し、農業から水産業まで幅広くリスクに対応してきました。双方の専門知識が融合することで、養殖業者に一層の安心感を提供できる体制が整ったのです。
新スキームの概要
この新たなスキームでは、日本動産鑑定の専門家が陸上養殖事業者の状況を詳細に調査し、その評価を基に養殖業ビジネス評価書を作成します。この情報を元に、損保ジャパンが保険商品を提案することで、事業性評価と保険加入のプロセスを効率的に進められるようにしています。この仕組みにより、陸上養殖事業者は調査を一度で終えることができ、迅速な保険提案を受けられるようになりました。
さらに、金融機関にとっても、この養殖業ビジネス評価書は事業の可視化に寄与し、事業者への資金提供がスムーズになる可能性が高まります。これにより、陸上養殖業の成長を促進する一助となるでしょう。
未来に向けた取り組み
今後、損保ジャパンと日本動産鑑定は、持続可能な水産業の実現を目指し、陸上養殖の普及と発展に向けた取り組みを強化していく方針です。損保ジャパンは「Innovation for Wellbeing」をスローガンにして、社会課題の解決を通じた商品開発を続けていく意向を示しています。これにより、より良い社会の実現へとつなげていくことでしょう。
日本動産鑑定の概要
- - 法人名: 特定非営利活動法人日本動産鑑定
- - 代表者: 理事長 久保田 清
- - 設立日: 2007年10月10日
- - 本店所在地: 東京都中央区日本橋蛎殻町1-39-5水天宮北辰ビル6階
- - 公式サイト: 日本動産鑑定公式サイト
このように、陸上養殖の保険モデルの確立は、持続可能な水産業を支える新たな一歩です。これからの進展に注目です。