簿記資格保有者の転職市場、現状は?平均年収537万円、1級と3級で70万円の差
株式会社MS-Japanが発表した『簿記の転職市場レポート2024』によると、簿記の資格保有者の転職市場は活況を呈しているようです。同社が運営する転職サービス「MS Career」が集計したデータによると、日商簿記を応募条件とする求人の平均年収は537万円にのぼるという結果が出ています。
しかし、この平均年収という数字だけでは、転職活動における現実像を完全に捉えきれていません。そこで、本記事では同レポートを元に、簿記資格保有者の転職市場における様々な側面を深掘りしていきます。
年収、業界、そして資格レベル
まず注目すべきは、年収のばらつきです。レポートによると、年収の約6割は400~500万円台に集中しているものの、資格レベルによって大きな差が生じていることが明らかになりました。
具体的には、1級保有者の平均年収は553万円であるのに対し、3級保有者では485万円にとどまり、1級と3級の間には実に68万円もの差があることが判明しました。これは、資格レベルがスキルや経験、そして企業への貢献度を反映していることを示唆しています。
さらに、業界別の平均年収にも注目しましょう。1級と2級保有者においては、「その他士業事務所・コンサルティングファーム」が最も高い平均年収を示しました。一方、3級保有者では「一般企業」がトップとなっています。これは、資格レベルによって求められる役割や責任、そして企業規模などが異なるためと考えられます。
一般企業における簿記資格保有者の現状
レポートでは、簿記保有者を募集する企業の約76%が「一般企業」であることが示されています。その中でも、一般企業の業種別内訳では「製造業」が24.7%と最も高い割合を占めており、次いで「サービス業」、「IT・通信業」、「建築・不動産業」と続いています。
これらの結果から、簿記の知識・スキルは幅広い業界で必要とされており、特に製造業やサービス業といった現場での実務経験が重視されていることがわかります。
今後の展望
『簿記の転職市場レポート2024』は、簿記資格保有者の転職市場における現状を詳細に示した貴重な資料です。
このレポートから読み取れるのは、簿記スキルが依然として高く評価されていること、そして資格レベルや業界によって年収やキャリアパスに大きな違いがあるということです。
転職を考えている簿記資格保有者は、自身のスキルや経験、キャリア目標を踏まえ、最適な業界や企業を選択することが重要になります。また、より高水準の資格取得を目指すことで、キャリアアップのチャンスを広げることができるでしょう。
MS-Japanの調査レポートは、転職活動における意思決定に役立つ情報源として、今後ますます注目を集めていくと考えられます。