鳥取県でのドローン医薬品輸送実験
2023年10月19日、鳥取県鳥取市にて、官民連携によるドローンを用いた医薬品輸送の実証実験が行われました。主催者は、有限会社徳吉薬局と株式会社NEXT MOTIONであり、この試みは地域の安全と医療の向上を目指しています。
実証実験の概要
実験は11時頃に開始され、輸送物として成人用自動体外式除細動器(AED)や第2類医薬品、各種医療材料が選定されました。災害時に道路が寸断された場合を想定し、医薬品や防災用品を空路で輸送する試み対象となりました。
今回の実証実験は、鳥取県と鳥取市が協力し、株式会社トルビズオンがアドバイザーとして参加しました。また、エアロセンス株式会社がドローンの運航管理を担当し、一般社団法人地域再生・防災ドローン利活用推進協会(RUSEA)が撮影協力を行いました。使用したドローンはエアロセンス社製の「AS-MC03-T-Box」で、地元の千代川上空を飛行しました。
災害時の医療物資配送訓練
実験では、震度6の地震が鳥取県内で発生したとの設定で、迅速な物資配送を行うための訓練が実施されました。ドローン搬送本部として鳥取市役所内に設置され、実際にAxisバードスタジアムに向けてAEDや緊急医療材料の運搬が行われました。
この取り組みは、特に脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として評価されており、将来的には過疎地域への配送やドライバー不足に関する社会的な課題解決にも寄与することが期待されます。
ライブ配信での状況把握
NEXT MOTIONは、低コストで運用可能なライブ配信システムとクラウドサービスを組み合わせ、ドローンの運搬状況や搬送本部の様子を同時中継しました。これにより、リアルタイムで状況を把握することが可能となり、災害時の非常時対応力向上に役立つ仕組みが整備されました。
未来への展望
この実証実験は鳥取県の補助金を活用して行われ、将来的には非対面での医療提供体制にも対応する予定です。電子化された処方箋を基に、ドローンでの医薬品配送が実現されれば、特に中山間地域などへの迅速な物資供給が期待できるでしょう。また、医薬品だけでなく様々な物資の空路運搬を考慮し、次世代の配送体制の構築も目指しています。
二回目の実証実験では、VTOL機を使用した医薬品や食品の長距離輸送が計画されています。実験を通じての課題認識や採算性の検証が進められることにより、地域の人々がドローンをどう受け入れるかという社会的な受容性向上も期待されています。
関与する企業の紹介
代表者:西原徹
所在地:鳥取県鳥取市中砂見936
事業内容:無人航空機による撮影、測量、農薬散布など。
URL:
NEXT MOTION
代表者:徳吉淳一
所在地:鳥取県鳥取市秋里738-1
事業内容:調剤薬局、病児保育、健康サポート。
URL:
徳吉薬局
代表者:佐部浩太郎
所在地:東京都文京区
URL:
エアロセンス
このドローン輸送の実証実験を通じて、鳥取県内の医療供給体制がより充実していくことが期待されています。