NPT001-HTYの臨床試験が始まります
株式会社NPTは、食道がんに対する新しい治療法、個別化樹状細胞ワクチン「NPT001-HTY」の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始することを発表しました。この治験は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)による治験計画届書が受理された後、30日間の調査期間が終了したことを受けて始まります。この度の臨床試験は、東京都内の二つの医療機関で行われ、2025年の2月初頭から患者登録が開始される予定です。
NPT001-HTYとは?
NPT001-HTYは、がん細胞に特有のネオ抗原をターゲットとした再生医療等製品です。患者さんごとに異なるネオ抗原を抗原提示細胞である樹状細胞に載せて投与し、体内のキラーT細胞を活性化させます。このプロセスにより、ネオ抗原を持つ食道がん細胞を特異的に攻撃することが可能になります。
このように、NPT001-HTYは患者一人ひとりに合った個別化治療を提供できるため、がん治療に新しい選択肢をもたらすことが期待されています。
がん免疫細胞療法の新たな挑戦
NPT001-HTYに基づくがん免疫細胞療法は、日本国内では初めての企業治験です。株式会社NPTは設立以来、がん免疫細胞療法を標準治療として普及させるため、PMDAとの数年間の対話を経て、この治験の実施に至りました。この治験では、安全性の確認と有効性の科学的根拠を示すことを目指しています。
一人ひとりに合った医療への第一歩
株式会社NPTは、がんで苦しむ患者様やそのご家族のために、標準治療の選択肢を増やしていくことを願っています。個別化医療の実現に向けて、着実にステップを踏んでいく所存です。医療の進歩が患者にどのような影響を与えるか、注目が集まることは間違いありません。
会社の背景
株式会社NPTは、2018年11月に東京大学医科学研究所の谷憲三朗先生を中心に設立されました。谷先生は、九州大学生体防御医学研究所長としても活動し、1998年には日本初のがんに対する遺伝子治療を手掛けた方です。これまでの開発資金は、501名の株主からの支援によって賄われており、特にエンジェル投資家からの支援が多く見受けられます。また、株式会社龍角散からも1億円の出資があり、さらなる出資も検討されています。
今後、NPT001-HTYの臨床試験がどのような展開を迎えるのか、その成果に期待が寄せられます。