経理部門における若手社員のスキル育成に関する調査結果
最近、株式会社インボイスが実施した調査レポートが注目を集めています。この調査は、経理業務に従事する若手社員に身に付けてほしいスキルや知識、育成における課題について探るもので、441人の経理担当者の声が集められました。調査の結果から見えてきたのは、経理部門の将来を左右する若手育成が経営課題として浮かび上がっているということです。
スキル育成で重視されるポイント
調査によれば、若手社員に必要とされるスキルの中で最も重要視されたのは「Excel操作」でした。38.2%の経理担当者がこのスキルを挙げており、Excelの関数やピボットテーブル、マクロなどの基礎技術が日常業務の効率化に直結すると考えられています。さらに、自社のビジネスモデルや業務の背景を理解する姿勢も重要視されており、それぞれ36.1%、34.8%が支持を示しました。
他にも「自社の会計ルールの理解」や「業界特有の会計知識」が求められ、実務に必要な基礎的な会計知識の強化が欠かせません。また、「会計システムの操作」や「監査対応の基本」なども必要なスキルとして挙げられています。このことから、若手社員のスキルアップが経理の効率化に繋がるという期待が見て取れます。
さらに、簿記知識についての調査も行われ、「日商簿記2級レベルが求められる」という声が53.2%を占めており、実務での決算処理を理解してほしいという期待が強いことが分かりました。逆に「日商簿記3級」未満の基礎知識だけでは業務に対応できない現実が明らかにされています。
課題となるOJTの属人化
一方で、若手社員育成が難しいと指摘されている点も浮かび上がりました。31.9%の経理担当者が「OJTが属人的になっている」と回答しており、指導の質が担当者に依存しているため、育成が標準化されない現状が問題だとされています。また、自発的な学びが得られないという声も多く、育成の時間が他の業務に優先されるため、育てる側・育てられる側双方からの環境要因が影響していることが明らかになりました。
このように、若手育成の進捗が難しいのは、属人化や時間不足、学習定着の弱さに集約され、経理部門の管理者にとっては頭の痛い問題です。_
経理育成の新たな視点
経理部門では「基礎スキルの強化」と「業務理解の深化」が共通の課題として捉えられています。必要なスキルを明確にし、育成の仕組みを整えること、外部からの支援を取り入れることで、持続的に人材を育成する環境を整えることが必要です。
インボイス総合研究所では、この調査結果を活用し、経理育成の現場を可視化することに力を入れています。また、管理者視点でのアプローチを通じて、業界に新たな知見をもたらすことを目指しています。
結論
若手育成においては、管理者が必要なスキルを定義し、育成の仕組みを構築することが鍵です。この調査レポートは、経理部門での若手育成の方針策定において有用な参考資料となるでしょう。経理担当者の皆さんは、ぜひこの機会に数字やデータに基づいた合理的な育成策を模索してみてはいかがでしょうか。これにより、経理部門の未来を見据えた若手の育成が進むことを期待しています。