洗濯を止めない新しい試み
埼玉県川島町に位置する役場で、洗濯水を循環利用する新しい取り組みが始まりました。このプロジェクトは、災害時における生活用水の不足を解決するために設計された洗濯水循環システム「オーシャンループシステム(OLS)」の実証実験です。
実証実験は2026年9月2日から開始され、洗濯機から排出される排水を収集・処理し、再び洗濯用水として利用する手法を試行しています。このシステムは、単に節水を実現するだけでなく、災害時の被災地においても洗濯の継続を可能にする「災害時の洗濯インフラ」の構築を目指しています。
地震や豪雨による災害と洗濯の課題
近年、日本は地震や豪雨による大規模災害の影響を受けています。これらの災害によって多くの地域が断水に見舞われ、飲料水だけでなく日常生活に必要な水が不足する事態が多々発生しています。特に洗濯は、必要な水量が多いため、限られた水資源では継続的に行うことが難しい生活活動の一つです。
そこで、洗濯水循環システムの必要性が高まります。このシステムは、一度使用した洗濯水をろ過し、再利用することで、大量の水を節約し、さらに災害時にも洗濯を続けることができる環境を提供するのです。
オーシャンループシステム(OLS)の仕組み
オーシャンループシステムは、以下のようなプロセスで機能します。
- - 重珊水の回収: 洗濯機から流れ出た洗濯排水(重珊水)を集めます。
- - 多段階処理: 集めた排水は、ろ過、オゾン処理、UV処理といった手段で綺麗にされます。
- - 再利用: 処理された水は、再度洗濯用水として利用されます。
このプロセスにより、水資源を効率的に使用し、洗濯業務を持続可能な形で運用することが可能になります。
実証実験の詳細
川島町の役場では、実際に洗濯を行い、排水の処理と再利用がどのように行われるのかを確認する実証実験が行われています。この実証期間中には、次のような情報が収集されます。
- - 洗濯排水の処理性能
- - 再利用時の水質変化
- - 水質に関する各種項目(濁度、色度、pH、細菌数など)
- - OLSシステムの連続運転性能
- - 洗濯物の仕上がりに対する利用者の評価
これらのデータを基に、安全性と実用性を検証し、災害時にも信頼できる洗濯環境を提供できるかどうかが重要なポイントとなります。
「平時も災害時にも洗濯できる社会」の実現
避難生活が長引く災害時には、衣類やタオルを洗濯する環境が特に重要です。衛生状態を維持することが、生活の質を大きく左右します。このように、洗濯水循環システムは、災害時における生活必需品としての役割を果たすことが期待されているのです。
ファミリーレンタリース株式会社は、川島町での実証結果を踏まえ、将来的には全国の自治体や避難所、防災拠点においてもこのシステムを導入することを目指しています。平常時には節水設備として扱い、災害時には住民のための洗濯設備として機能することで、新たな防災インフラを構築するのです。
ファミリーレンタリース株式会社について
ファミリーレンタリース株式会社は、「日常も、非日常も、洗濯を止めない」をスローガンに、ホテルや学生寮、福祉施設向けにランドリー設備のレンタル、リース、販売、運営を行っています。長年の経験とノウハウを活かし、省エネルギーや洗濯水の循環利用など、最新の技術を用いた社会インフラの開発に取り組んでいます。今後も自治体や企業との連携を深めながら、洗濯衛生の向上と環境保護に寄与していく方針です。