城崎温泉の老舗旅館が誇る新ディナーフルコースの魅力

新たな発酵の旅へ〜小林屋の“発酵×花鍋”フルコース

兵庫県豊岡市の城崎温泉に位置する老舗旅館、小林屋が新たに発表した「発酵×花鍋コース」が話題を呼んでいます。このコースは、日本の伝統的な発酵文化を現代的にアレンジし、グルメ愛好者に新たな体験を提供するものです。2025年12月1日より始まるこのディナーコースは、健康志向や食の多様性を重視した内容となっています。

食の多様性と訪日旅行者のニーズ

FOOD DIVERSITY社の調査によると、近年の訪日旅行者は「食」を旅の目的として重要視する傾向が強くなっています。それと同時に、ベジタリアンやヴィーガン、さらにはハラル対応の食事に対するニーズも増加。特に、日本食は独自の調味料や出汁に動物性素材が含まれていることが多いため、訪日客からは「安心して食べられる場所を探すのが難しい」との声も上がっています。

小林屋は、年間70万人が訪れる国際的な温泉地に位置し、訪日客が全体の半数を占めるため、このコース開発は必然でありました。食文化や宗教に配慮したインクルーシブな設計で、誰もが同じテーブルを囲める食体験を目指しています。

発酵×花鍋コースの魅力

この新コースの特徴は、全て植物性の素材で構成され、事前予約によりグルテンフリーやハラル対応が可能である点です。鍋の具材には五行野菜や季節のキノコがたっぷり盛り込まれ、自家発酵させた塩麹をベースにしたスープで煮込まれます。このスープには燻製した大豆や昆布を一晩水に浸したもの、さらには生姜や各種野菜が加えられ、深みのある味わいが実現されています。

味変アイテムで自分だけの一杯を

さらに、このコースでは地元産の朝倉山椒オイルやすりおろし梨ポン酢、唐辛子など、好みに合わせてスープをアレンジできる3種類の味変アイテムが提供されます。これにより、一人一人が自分だけの味を楽しむことができます。

自家製小籠包と無添加うどん

鍋に添えられる自家製の小籠包は、台湾出身のスーシェフが手掛けており、具材には白菜、蓮根、豆腐、きのこ、生姜などが使われ、毎月変わるバリエーションが魅力です。また、最後のシメには、豊岡のりゅう製麺の無添加うどんが用意され、滋養が十分に染みたスープをかけていただきます。これにより、旅館らしい贅沢感を得ることができるのです。

豊富なコース内容

このコースには、アミューズから前菜、焼物に燻物、そしてメインの鍋まで、多彩な料理が用意されています。前菜には発酵の小鉢と手まり寿司、焼物には旬野菜のオーブングラタン、燻物には木綿豆腐のローストが用意され、デザートには濃厚な抹茶プリンが提供されます。伴って、地元名産のコウノトリ米と共に提供される巻き寿司や稲荷寿司も、食材の新鮮さと地域性を表現しています。

アップグレードオプションも充実

なお、但馬牛や八鹿豚、松葉がにのトッピングオプションも選べ、食のスタイルや嗜好に合わせた自由度の高い食体験が可能です。これにより、健康志向だけでなく、豪華さも意識されたコース設計となっています。

完全不変の品質を求めて

城崎温泉の小林屋は、江戸時代から受け継がれる伝統をもとに、現代のデザインと文化を融合した空間を提供しています。この新しいディナーコースは、伝統を大切にしながらも新たな食の可能性を広げることを目指しており、訪れるゲストにとって忘れられない食体験を提供します。食文化の多様性への配慮がなされた新たな挑戦は、これからの城崎温泉における食シーンを一変させることでしょう。

ぜひ、次回の旅行の際には小林屋の新しい花鍋コースを試して、その魅力を自ら体験してみてはいかがでしょうか。