2027年に求められる新たなスキルは批判的思考に根ざす
最近、世界経済フォーラム(WEF)が発表した『Future of Jobs Report(2023)』で、2027年までに最も重要視されるスキルとして選ばれたのは、「分析的思考(Analytical Thinking)」、「創造的思考(Creative Thinking)」、「批判的思考(Critical Thinking)」の3つです。これらは一見、異なる能力に見えるかもしれませんが、実はすべてがFacione(1990)が定義した批判的思考の構成要素の一部であることが示されています。
批判的思考の重要性
WEFが挙げたこのトップ3スキルは、すべてが批判的思考の枠組みの中に含まれています。具体的に言うと、分析的思考は批判的思考の「分析」や「評価」といったスキルに関連があります。創造的思考は、新しいアイディアや解決策を生み出すために、批判的思考の中で重要な役割を果たします。
また、日本企業の多くが導入している「ロジカルシンキング(LT)」は、批判的思考の下位スキルの一部しかカバーできておらず、全体で見た際のカバー率はわずか13〜19%にとどまります。この事実は、企業研修におけるスキル習得の重要なギャップを浮き彫りにしています。
日本の企業研修市場の現状
実際、多くの企業が批判的思考を取り入れた研修を行っているにもかかわらず、その内容は批判的思考の16下位スキルの十分な範囲をカバーできていないのが現状です。GTF(グローバルタスクフォース)代表パートナーの山中英嗣氏は、企業が考えている以上に、批判的思考の研修内容が偏っていると警鐘を鳴らしています。
実際、30社以上の法人研修プロバイダーを分析した結果、批判的思考を明確に独立した講座として提供している企業はわずか14社であり、9社はロジカルシンキングのみを提供しています。これは、全体的な企業のスキル育成における大きな課題を示しています。
新たな教育の必要性
GTF Thinking Academyは、この現状を受けて、批判的思考のスキルを包括的に学べる研修プログラムを提供しています。これは、Facioneの6コアスキルを完全に網羅した内容であり、AI職場の時代においても通用する人材育成を目指しています。
山中氏は、批判的思考力を育むためには、単に指示された課題だけを解決するのではなく、主体的に課題を見つけ出し、最適解に導く能力が重要であると述べています。
企業再生や再編を行うGTFは、クライアントの現場で切実に必要とされる批判的思考のスキルを教育の中核に据え、より多くのリーダーを輩出していくために尽力しています。
2027年への道筋
いよいよ2027年が近づく中、企業は変化する市場に適応するために、批判的思考を中心にしたスキルの育成に力を入れる必要があります。日本の企業研修が抱える課題を克服するには、批判的思考の網羅的な教育が不可欠です。将来を見据え、企業は今こそ変革の時を迎えているのです。