ドローンによる橋梁点検の新たな可能性を切り開く実証実験
イントロダクション
近年、政治や経済の発展と共に、多くの国々でインフラの老朽化がいっそう進行しています。特に、経済成長期に整備された日本の橋梁やトンネルは、時間と共にその劣化が懸念されています。そんな中、DRONE SPORTS株式会社と株式会社長大は、岩手県でドローンを活用した橋梁点検の共同実証を行いました。この取り組みは、海外展開を見据えたものであり、老朽化したインフラを効率よく管理する新しい方法を模索する試みです。
取り組みの背景
日本国内では、橋梁やトンネルといったインフラが経年劣化に直面しています。現在、全国のインフラ管理においては、人材やコストの最適化が求められています。このなかで、ドローンによる点検業務が注目されるようになり、膨大な構造物を安全で効率的に点検する手段としてその役割が期待されています。
DRONE SPORTSは、多様な環境下でのドローン運用に特化しており、特に狭い場所やGNSSが使えない条件下において強みを持っています。これまでの経験や技術を生かして、より高い精度での点検を目指しています。一方、長大は国内外での橋梁設計や施工監理において優れた実績を持ち、広い範囲のプロジェクトで成功を収めています。
このような両社の強みを組み合わせ、岩手県内での共同実証が実施されました。
実証の内容
今回の実証では、岩手県内の橋梁を対象にドローンでの点検を行いました。点検用のドローンは、橋梁の上部、側面、桁下などの様々な位置で近接目視点検および撮影を行い、条件としては非GNSS環境での運用も確認されました。さらに、得られた画像はAIによって解析され、ひび割れの有無を0.1mm単位で確認しました。これにより、損傷している箇所や劣化の進行傾向を系統的に蓄積する素地が作られました。
実証の成果
1.
安全性の向上: ドローンを用いた点検により、高所や狭所での作業リスクを大幅に減少させることが実証されました。従来の方法であれば、作業員が直接点検していたため、転落や接触といった危険が伴いましたが、ドローンで代替することによりこれらを防げます。
2.
コストの削減: これまで約1週間を要していた足場の設置・撤去が不要になり、準備にかかる時間とコストを大幅に削減しました。この進展には、パフォーマンスの向上も寄与しています。
3.
デジタル資産の構築: ドローンによって取得したデータを保存・比較することで、損傷の変化を時系列に追うことが可能となり、点検履歴をデジタル資産として活用できる基盤が整いました。
今後の展望
長大の担当者は、今回の実証結果をもとに、フィリピン・マニラなど海外でも応用できる橋梁点検を目指す意欲を示しています。従来の点検手法では、多くの準備作業が必要でしたが、ドローンの導入により効率的かつ効果的な点検作業が可能となります。今後、DRONE SPORTSと長大は、今回の知見を基に世界各国のインフラ維持管理に貢献できる実運用モデルを確立することを目指します。
会社紹介
DRONE SPORTS株式会社
- - 設立: 2018年2月
- - 所在地: 大阪府箕面市
- - 主な事業: 国産ドローンの販売、インフラ点検、ドローンレース運営など。
株式会社長大
- - 設立: 1968年2月
- - 所在地: 東京都中央区
- - 主な事業: 総合建設コンサルタントとして、様々なインフラ関連事業の提供。空飛ぶクルマ事業への取り組みも行っている。
この取り組みは、日本の橋梁点検の新たな扉を開くものとして、多くの業界に影響を与えることでしょう。