高知県の新農業
2021-01-20 11:00:33
高知県が目指すSociety5.0時代の新しい農業「IoPクラウド」の開発
高知県で始まった新たな農業の取組が話題です。その名も「IoPクラウド」。このプロジェクトは、地域の農業を次世代のデータ駆動型に進化させることを目的としています。すでに東京大学や九州大学、デジタルハリウッド大学など、多数の大学や研究機関が協力し、さらには株式会社NTTドコモ、富士通、四国電力など民間企業の参加も得ています。
「IoPクラウド」は、IoT(Internet of Things)技術を活用したクラウド型のデータベースシステムです。農業ハウス内の気象データや、出荷に関連する農産物の情報をリアルタイムで一元的に集約し、生産者にとっての強力な情報源となります。
具体的には、温度、湿度、CO₂濃度、そして作業機器の稼働状況など、農業ハウス内のデータが瞬時に集まります。また、JA高知県が持つ出荷データも連携され、一つのプラットフォームで全ての情報を把握することが可能です。これにより、生産者は環境制御のノウハウを磨き上げ、効率的かつ戦略的な収穫が期待できるようになります。
また、プロジェクトは単なるデータ集約にとどまりません。高知県やJA高知県が提供する、迅速かつ詳細な栽培指導が行われるほか、大学の研究機関が植物成育予測の研究を実施します。さらに企業は、その成果を利用して優れた農業用機器やソフトウェアの開発を進め、農業現場を多方面からサポートします。
特筆すべきは、IoPクラウドのAPIの公開です。これにより、企業は自社製品のIoT化を促進し、標準的なセキュリティ水準を満たすことができます。自社でクラウドを持っていなくても、テストベッド環境での製品開発が可能になります。この施策は、高度な農業機器やソフトウェア市場の拡大を目指しているのです。
現在、高知県内には約3,000戸の農家がこのシステムに参加しており、将来的には約6,000戸を目指すとしています。これは高知県初の試みであり、日本国内でも最大規模を誇るものです。こうした取り組みにより、収集したデータは他県や他業種にも展開し、さらなるSociety5.0の実現へとつながることが期待されます。
このプロジェクトの立案には東京大学や株式会社INDUSTRIAL-Xなどの専門家が深く関与しており、信頼性の高い拠点が形成されています。各方面からの参画を通じて、未来の高知県農業を一緒に築いていくチャンスが提供されています。
高知県が導くこの「IoPクラウド」。農業の未来は、データによって変わるのです。さあ、次世代の農業の到来を楽しみに待ちましょう。
会社情報
- 会社名
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高知県
- 住所
- 高知県高知市丸ノ内1丁目2-20
- 電話番号
-
088-823-1111